保育の基本 209 第4章 子育て支援
飯田 和也
第4章において、全ての子どもの健やかな育ちを実現すること。保育所やこども園の特性を活かした子育て支援 また、保護者に対する子育て支援を行う際には、各地域や家庭の実態等を踏まえるとともに、保護者の気持を受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重すること。さらに子育ての喜びを感じられるように努めること。
保育所において親への子育て支援で他の親との育て方や子どもの発達を比較しすぎて不安にさせ、悲観させるのでなく、正しい子育ての情報を与えて安心できる時と場を保障し子ども授かった喜びを与えられる事です。
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保護者に生活態度が問題と決め付けない
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この子へのしつけ方が悪いので改めて下さいとおしつけない
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お子さんの事で園にきてくださいと呼びつけない
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診断をしてもらってくださいと上から目線で伝えない
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保護者には主観や感想文でなく事実と意見を分けて伝える
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行事を通して発達「大きくなった喜び」を伝えるチャンスと捉える
信頼関係のために
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保育所・こども園・幼稚園に入園仕立ての頃は親が最も子育てに忙しく、子育ての悩み、不安が大きい時期です。そのような子育ての不安な時にがんばらせようと言う保育者の態度でなく、親の生活を受け止めながら少しずつ子育ての悩みを解消し、子どもを授かった喜びを与えられるふれあいが求められます。
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入園してから発達したことを具体的に記録してわかりやすく・丁寧に・優しく発達を伝えることで子育ての不安を少しでも楽にする事が大切と言えます。そのためには、入園してからの保育場面での子どもの活動の事実を伝えて信頼感を作ることです。
保育者の感想文『大丈夫です・出来ていますよ・可愛いですよ・心配ないですよ・かなり・よく・とても』といった親に理解できない言葉で無く事実と意見を分けることで成長・発達していることを信じてもらいます。このようなふれあいを通して親は心を開き、悩みや子育ての楽しみを保育者に話すことができるようになります。
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保育園・幼稚園・こども園時代をもつ親は仕事のこと・家庭のこと・人間関係のこと・子どもの病気のこと・生活するためのお金の事等最も悩み・困難な時期です。このように生活が忙しく時間にゆとりの無い親が生きている実態を受け止め・子育ての苦しさや辛さを共感すること「共に泣いてあげられる一人になる努力をする」ことです。子育てで最も大変な時と言う事を理解して話し合う場をもつことです。
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保育者は、子どもの問題行動を指摘するだけでなく子どもは無限の可能性を秘めている事を気付き、能力を信じる生き方を一緒にする事が第一です。今は失敗する時・自信を持てない時と言う事を受け入れるふれあいを大切に相談して子育て支援をしたいものです。
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保育者は、聴き上手な態度で『あなたのために腰を落ち着けて時間を割いていますよ』聴いてくれる先生や仲間の友達がいることで安心できる場を与えられることになります。親は聴いてくる人がいることで、将来の子育ての方向性を理解する力や困難を乗り切ることに結びつきます。
母親が子どものため温かい愛のある雰囲気を作るために努力している事・がんばっているところを受入れ、認め、ほめる態度で具体的に〇〇が素晴らしい、子どものために〇〇がんばっていますねと伝えることです。親はほめられ・認められ・受入れられた事で笑顔を与えられます。
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連絡ノートには悪い箇所はずっと残るので書かないことを共通にします。
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保護者や子どものプライバシィを保護し、守秘義務を守ることです。
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親の苦情について言える・伝える時や場を保障して信頼関係を確立します。苦情を言えない雰囲気を作らないのも園として大切になります。
子どもを授かった喜びを与える
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四月からの発達を五領域で伝え、大きくなったことを具体的に伝える事で子どもを産んで良かった、授かったと思える時と場を保障する。
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参観日は朝、発達を保護者に具体的に伝える時とします。発達「身のこなし・言葉・社会性等自分から○○する力だけでなく、非認知能力のテストでは測りづらい、我慢して最後までやり遂げる力、挑戦する力、自尊心などを身につけているかを見て下さい」という説明をしたいものです。
例えば、母親が『参観日は子どもがじっと座っているだけでびっくりした』『友達と一緒に歌っている姿が見られて感動した』このような言葉が懇談会で出たときに「お母さん、〇〇びっくりした」の後に『お母さんは〇〇が見られて幸せ』と言う言葉を付け加えて下さいと話しました。
一生の中で母親から『幸せ』と言う言葉を言われる事が少ない、言われる事で生きている喜びを体験・味わう事で子どもは困難を乗り切ったり、自分から〇〇することと同時に我慢して最後までやりとげる知能テストでは測りづらい非認知能力を身につけます。
参観日で静かに先生の話を聴く態度を見て感動する親への説明で「愛されているから人の話をじっと聴く態度に結びついていることを理解し、家庭でも「有難う」を使う大切さを気づいていただきたいと説明して子育ての参考にする参観日になります。
参観日で家庭と違って『自分で〇〇する』力があることを知る事ができ子ど゜もの能力を信じ『子どもを授かった喜び』を味わう参観日として利用したいものです。
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行事は4月から・また、一年前の行事での姿を思い出させて成長・発達を確める場とします。
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乳児・未満児の参観日は、子ども授かった喜びを話し合う時・家庭での悩みを通して自分も安心する時を通して情緒の安定を得る。それには四月の個人記録を五領域で記録してここまで見てくれる先生・保育園・こども園に出会った喜びを味あわせる方針とする。此れを特色とします。
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子育てのポイントを簡単に伝える「せっかちな親からノロノロした子が育つ」「約束は、解る言葉で優しく・丁寧に伝え、言いっぱなしにしない」「ほめ上手には具体的な言葉を使うこと」など言葉を親に理解しやすい・思い出しやすい・実践しやすい言葉を使う事で子育てを見直すチャンスを作ります。
地域の学校・病院・相談所との連携に対して橋渡しをする
・ 診断書が必要な場合、「保育園・こども園・幼稚園は保育のプロです、しかし、診断はこれからの参考として専門家に任せてその後の集団での保育・教育で子どもの発達を保障したいものです。診断書を書かれてもそのままずっとレッテルを貼られるものではありません。診断の期間がある場合もあります。」
親と話すときに母親に子どもの発達について事実を具体的に伝えること・行事のときに必ず一年前の姿と異なり発達したことを解りやすく・丁寧に・優しく伝える事です。また、問題な行動に対しても事実を伝え、保育・教育の効果を信じてもらうために教材・施設・保育者の働きかけの限度と効果的な資料を示し・説明します。
例えば「言葉ノート」発語を伸ばすためには聞いてくれる人がいるから話したくなる。母親が丁寧に聴く態度からしばらく子どもの話している言葉を記録して下さい。記録するためには母親が聞かなければならない。聴いてくれるお母さんがいるのを気づく子どもに変容します。
すると母親は、こんなにも言葉が話していたのを気づく場合があり嬉しくなります。そこには笑顔が生まれ優しく聴いてくれるお母さんがいるから話したくなるという『子どもは環境を通して言葉は発達する』に結びつきます。このような例を親に伝える事で参考にしてもらいます。
他にも『トイレットトレーニングでの母親の努力』など自分の園で資料を作成し配布する事で子育て支援に結び付けたいものです。