保育の基本 76 合奏における教育のあり方 2

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                   東海学園大学 飯田 和也

 

 合奏における教育は、五領域の健康と人間関係だけが子どもの身体的・知的・情緒的・社会的・道徳的発達を促すものではありません。環境と言葉、さらには表現とも絡み合って子どもたちの発達に影響を及ぼします。

 

 五領域「環境」の内容として「楽器の性質を知る。また扱い方や片付け方が解かる」といったものを大切にする生き方や音のきれいさなどものにかかわることを身につけさせる教育になります。

 

 そのための援助として「楽器の扱い方がわかり、大切に扱おうとする子に『○○チャン、楽器を大切に使えるね、楽器も壊れないし長く使えるからきっと楽器も喜んでいるね』と伝え、○○チャンだけでなく他児も気づけるようにする。このような立案から物を大切にする楽器からきれいな音が奏でることで、楽器という物に関わりきれいな音や変な音とかかわることで社会的知識として身につけることを気づかせる援助の例「教育」となります。

 

 また「楽器ってどこで鳴らしたら一番いい音がするか知っている」と問いかけ、持つ位置・鳴らす位置に気づけるようにし、まわりの友達が教えあう雰囲気を大切にする」といった楽器の特質を気づかせ、音の面白さを気づくことで知的・社会的発達を身につける問いかけや共感を具体的にすることで教育となります。

 

 さらに、「やりたい楽器が集中してトラブルになった時には子どもの話を聞き「○○君この楽器やりたかったんだよね』と慰めながら、やりたい思いを汲み取り互いが納得できるよう配慮しながら仲立ちする。そして『有難う、○○チャンってやさしいね、○○チャン△△の楽器譲ってくれてよかったね』と声をかけ相手を思いやることの大切さに周りの子もきづけるようにする。」

 

 五領域「言葉」で「自分の思いや感じたこと、考えを言葉で保育者や友達に伝える」といった内容の援助として、立案や実践で道徳的発達や知的発達が身につく教育になります。このような保育から道徳的発達として相手を受け入れたり、相手の立場になったり、我慢したりしてお互いが心を通じ合うことで今、もっとも社会の中で欠けている思いやる能力が身につく教育となります。「友達の素敵なところを見つけ、思いを伝えられる喜び、また認められたうれしさに共感する。

 ○○ちゃんは・・・と思ったんだね。それをみんなに言って良いかも、キットみんな聞いてくれるよと声かけ、思いがみんなに伝わるよう励ます」といった言葉の使い方が理解でき、五領域「言葉」が保障されさらに、相手を受け入れる態度となる五領域「表現」における感性を豊かにした知的発達そして情緒的発達を身につける場面を大切にする教育に結びつきます。

 

 五領域「言葉」の発達支援として「子どもの声に耳を傾け,頷いたり、『その言葉いいね』とみんなで考え、進める楽しさや友達の声を聴こうとする姿勢を持てるようにする。『○○チャンのお話聞いてあげてね』と声をかけ、周りを見て気づけるようにし、相手が話しやすい雰囲気を作る。さらに、友達の素敵なところをみつけ、思いを伝えられる喜び、また、認められたうれしさに共感する」といった立案や実践から言葉で最も重要な知的発達が促されると同時に周囲から認められ・愛される雰囲気から話すことが出来たと言うことで自信となり情緒的発達の教育となります。

 

 立案の中に「話を聞くときはどうすればいいか自分で考え、静かにすることの必要性を感じられるための問いかけをするということで社会的発達のための発達支援に結びつきます。何故発達支援が必要かということを時々把握することで一人ひとりの発達を大切にした立案と実践となり教育の根本を理解できます。

 

 五領域「表現」で「全身を使ってリズム打ちをして様々な音がでたり、きれいな音がでたり、不思議な音を肌で感じ楽しむ」と言った内容に対して大きな声を出せたり、友達と音をそろえようとする姿など一人ひとりの姿を認め、自信につながるようにする。自然と身体が揺れ、心地よいメロディーの中でリズムを楽しむ姿を共感し見守る。「○○チャンリズムの取り方上手だね。お手本になってちょっとやってみてくれる?」とほめ、人前で手本となる機会を設け自信につなげる。このように、子どもに感性があるというすばらしいことを気づかせ、自信をつけることで知的発達・社会的発達の教育に結びつくことになります。

 「友達の真似をする簡単なゲームを提案し、様々なリズムを身体で表現しながら打つ楽しさを感じられるような楽しい雰囲気をつくる。様子を見て曲を取り入れ、リズムを感じながら打つ心地よさを見つけて共感する」このように自分から友達の行為を真似することで知的発達が保障されます。

 

まねるは学ぶ、学ぶは創造力」といった考えを取り入れないで、真似したらダメ、また、真似しなさいと言う押し付ける狭い狭育では、教育は出来ません。

保育場面で、自分から真似したくなる自発的になることを造る場や温かい愛のある雰囲気により、身体的・知的・情緒的・社会的発達に結びつき、そして子ども同士の発達が促された教育になります。

 

子どもが楽器を使うときに、ただ楽器を上手に扱えばいい、合奏をさせて、きれいな音を一斉に出させればいいという教育ではありません。このような五領域での様々な発達を見つけ、発達支援を具体的に指導計画の立案とし、発達を捉えた援助の体験により、幅広い発達が促されます。乳幼児が様々な発達を身につくことを見つけ、援助することで乳幼児の発達として教育が成り立ちます。

 

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