保育の基本79 リーダーの条件と資質 基本3

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 障害の重い10代の子どもを親元から手放し施設に入れた母親から教えられたことがあります。家族で一緒に生活していたが重い障害のために毎日手をかけた温かい世話が出来なくなりやむなく親子離れての生活になったそうです。母親としてもっと愛情をかけてあげたいが充分な世話は無理と感じ施設に入れ、そこから養護学校に通い始め数ヶ月が経ったところでした。電話で「先生、なぜ一緒に生活している時に『厳しさとほめる』ことをもっとしてあげられなかっただろうかと考えてしまい自分は病気になってしまいました。

 

 この子は18歳までしか施設にいることができない、18歳になったら家に引き取らなければならない。その時この子は自分である程度生活できるようになっているだろうか。先生、なんでもっと今までほめてあげていなかったか、ほめる場面がいっぱいあったのに悔しい。

 先生がいつも言っていたほめることが自立させるための基本をやれなかったことが情けない。また、厳しさが問題と教えられました。多くの人からこの子は出来ないから仕方ない、わからないからこれでいいとすべて許されたり、放任されたりしまうという生活が続いてしまうことに今、疑問を感じています。

 

 学校や施設で本当にこの子のために叱ってくれて、そして出来たときをほめてくれる人に出会いたいと心から願っています。しかし、厳しさだけの人、その場限りを過ごせば良いという人をみているとわが子のように愛してくれる態度とは程遠く、差があり、心が苦しく・悲しく・辛くて病気になってしまいましたと涙・涙の言葉が続きました。

 

 この子が18歳になった時、どのように家族で一緒に生きていくかを考えると生きるためのルールを少しでも身につけ、嫌なことに出会って乗り切る力が必要と願っています。時々、家庭に帰ってきた時『こんなにも出来ることがあった、出来たときいっぱいほめてあげたいです』といった電話がありました。

 

 そこで「ぜひ、一つで良いから○○片づけできたね、△△やれるようになってすばらしいと自信つけてあげて、そして、たくさんのことを要求しないで具体的にほめて共感すること、人からほめられることで自信をもちます。一つ自信つけばそれが自分で出来た喜びから自立に結びつきます。

 

 『厳しさ』についても母親だけが「○○して」と叱ったり、注意するのでなく父親も兄弟も同じような態度を一つに持つことで身につきます。家族の誰かが許すのでなく、全員が約束を守ることです。しかし、そのとき厳しくするのは『貴方の将来のために必要ですよ』『貴方を心から愛していますよ』『いつも見守っていますよ』と言う気持ちと愛する態度が大切になります。又、時々具体的に『○○チャン・君・サンのこと大好きだからね』と言葉をかけながら肩に少し触ったり、身体に触れたり、手を握ったり、つないだりする肌のぬくもりによって自分は愛されているから父や母、そして兄弟の言葉をじっと聴く態度となります。

 

この家族を通して周囲の人々の言葉を聴く態度が育ち、人とかかわることが身につき社会的発達が促されます。

 

 例え重度の障害があっても自分は周囲から愛されていると感じ、温かい雰囲気の中にいることで生きる喜びを与えられます。

 

 このようにわが子が社会の中で生きていくためには、親としてどのようにかかわったら良いか、悩み・悲しみ・苦しみがいっぱいあります。しかし、そばにいるだけで幸せを味わうこともあります。今年も多くの方と一緒に困難を乗り切る知恵を考え、子どもたちに生きる力を少しでも身につけることが出来れば幸いです。

             園長  飯田 和也

             東海学園大学  飯田 和也

 

 1 保育所には様々な環境で育ち、性格や能力も異なった乳幼児が入所してくることに対して子ども最善の利益として、人権を大切にするために児童憲章や権利に関する知識を理解することです。

 

 2 養護の中にある命を守り、保健衛生的にすることを怠り保育中の死亡という業務上過失致死罪にならないためにも、健康管理・防災計画・訓練の立案と実施の記録をとることです。また、0157など伝染病対策や施設の衛生管理など乳幼児の保育環境に対する知識をもち、万が一起こったときのマニアルを作成し、組織として対応できるようにしたいものです。

 

 3 保育士の仕事への意欲と責任などを意識させて生きがいを与えること、特に、創立の理念や保育目標・方針を繰り返し理解しやすいように伝えることです。保育指針を利用していれば保育指針の研修会を通して自分の園の保育課程・指導計画・行事でのあり方を説明することです。聞き上手とほめ上手なリーダーでいたいものです。

 

 4 保育所保育指針第二章「子どもの発達」について「子どもは環境を通して相互作用で発達する」という発達を理解させることが重要になります。環境には人的環境・物的環境・空間として雰囲気などがあり、保育者を含めて子どもにとってふさわしい生き方が求められていることを、創立の理念に○○ありますと言うことを説明したいものです。

更に0歳から6歳までの発達過程「おおむね○歳」を会得して「ねらい」「内容」に結びつけた立案と実践が出来ているかを点検・評価、そして改善に結びつける眼が求められます。リーダーとして当然、乳幼児の発達過程「おおむね○歳」を会得して方針にふさわしい実践のモデルとなりたいものです。

 

 5 保育課程と指導計画の立案と実践として、養護に包まれて教育があるという養護と教育の一体化を会得し、昭和のねらいの無い教師主導の保育から子ども主体の保育を実施するためのチェックする能力をもちたいものです。そこでは悪い箇所を指摘ばかりするのでなく理念・目的・目標・方針にふさわしい立案を見つけた時にはハートマークをつけて自信を持たせ、次には意欲になるリーダーでありたいものです。一人ひとりの保育士の知識や保育技術には違いがあり、個性があることを把握して後輩を育てたいものです。

 

 6 発達過程「おおむね○歳」にふさわしい環境構成として物的・人的・雰囲気と同時に、乳幼児の身体的・知的・情緒的・社会的・道徳的発達にふさわしい教材研究をする場と自分の園、独特の教育を一緒に創造する力を持つことです。教材研究は一人ではなかなか達成できません、年齢ごとのグループや先輩の保育士の助言など与えやすい環境づくりがリーダーには求められます。

 

 7 様々な時期に入園してくる乳幼児は、常に発達していることを考慮すると、保育技術をいつまでも同じ方法でなく乳幼児の発達に合わせる能力を持つことと保育技術を高める努力を怠らないように助言し、意欲を持たせる配慮を持たなければなりません。保育士は得手・不得手なものがあり、得意な保育技術から伸ばして自信をつけることから始め、そして自立していきます。自分で出来るようになれば意欲を持ち、次には、この園の方針にふさわしい保育技術に確信を持って保育実践できるようになるようにリーダーはしたいものです。

 

 8 障害児保育の基礎知識や専門機関との連携、小学校と協力、保護者支援など園全体で幅広い知識と保育技術を高める配慮をすることです。特に、加配の保育士を含めた障害児への保育観の共通にした研修を配慮することです。知恵遅れ・自閉児・発達障害・耳の不自由な子・肢体不自由な子など、様々な障害のある乳幼児への環境構成など子どもの最善の利益が求められます。全員が障害児のためといいながら過保護であったり、また、遊んでいるからいいという放任でなく将来、困難に出会ったときに自分で切り開いていけるための厳しさと、愛情のある温かく愛されている雰囲気を併せている保育をリーダーとして把握していたいものです。

 

 9 保護者との交流について最初に理念・目的・目標・方針などを明確に伝えること、そして年の途中においても行事などを通して繰り返し「乳幼児の発達のため」と言うことをわかりやすく伝えることです。保育士などがクラスの方針や乳幼児の発達を伝えることで、異なっている場合には時々修正をします。また、文章で間違った伝え方をしないように園全体の組織として、ルールを明確にする配慮も大切になります。悩みの多い保護者へ相談しやすい雰囲気を与えることと、地域の中で保護者の現状を把握する努力が求められます。

保護者には子どもを授かった喜びを与えられるように行事や日常の保育で発達を見つける眼と、発達を子どもに気づかせる力と保護者に発達を伝える努力をしていますということもリーダーは持っていなければなりません。

 

 10 地域の人々との交流としてお年寄りや地域の祭りなどの行事への参加も積極的にする姿勢が求められます。そして、幼保小との連携のための努力を惜しまない姿勢が求められます。リーダーは人間関係に豊かで明るく、温かい人柄が必要になります。

 最後に、保育の自己点検・自己評価だけでなく改善する努力をリーダーは持つことで保育の質が高まります。

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