未満児保育・養護に包まれた散歩について

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  三つの柱と乳児保育「養護が中心の食事とお昼寝は省きます」
               飯田 和也
三つの柱「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性など」を一つひとつとりだして教育するのではなく、遊びを通した総合的な指導のなかで一体的に育むことが乳児保育にも求められます。
 
乳児保育においても視覚、聴覚などの感覚、座る、這う、立つ、歩くなどの運動機能が著しく発達し、限られた大人とのかかわりを通して情緒的な安定が形成される時期と言えます。乳児保育は、温かい愛情に包まれた愛のある雰囲気が重要です。
乳児保育では「身体的発達に関する視点・健やかにのびのび育つ。社会的発達に関する視点・身近な人と気持ちが通じ合う。精神的発達に関する視点・身近なものとかかわり感性が育つ」といった捉え方が重要になり五領域とは異なります。

 遊びを通して総合的な指導 「散歩」
散歩の最中、乳児の命を守るが保育者が基本とする養護の考えです。そして散歩の時に汚れたものに触らせないように注意し保健衛生的にして病気にさせないこと、鼻水が出たらやさしく拭いてあげること、疲れて甘えたくなったら一人ひとりの能力を把握して虐待にならないように温かく愛のある雰囲気を作って抱いてあげたり、手を引いてあげて最後まで我慢してやり遂げる保育が求められます。

 三つの柱               身体発達・社会発達的・精神的発達  
知識 散歩の時にかかわる人と言葉を交わすことや挨拶すること、
物には名前がある・園の周りには新しいことがあるなどを
理解する。                     社会・精神

技能 身体を使って立つ・歩く・手先でつまむ・危険な行動をしない・危ないことに行かない。友達と同じように動く。      身体・社会・精神                            

思考力 花の色や形・匂いを発見・鳥の声や姿を発見・水が冷たいと感じる・先生の言動を注意する。              社会・精神

判断力 先生の声と友達の声の違いを判断する。身近なところの雰囲気を判断する。保育室と外の温度差や風があること・広いこと・おもちゃと自然の物との違いを気づき・判断する。
                         社会・精神

表現力 きれい・冷たい・暑い・帰りたいと言葉でやり取りする。手先を使ってつまんだり、落としたり、飛ばしたり自分なりに表現する。相手がいうことを聞かないと言葉でなく手で叩いたり、押したりする。
                           身体・社会・表現
 非認知能力
  チャレンジ 新しい花に触ろうとする。鳥の声を聴こうとする。虫を見つけてつかもうとする。歩くことをもっと伸ばそうとする。  精神

  我慢して最後までやり遂げる  嫌がらないで最後まで歩くことをする。
                           身体・社会 
  思いやり 友達に優しく手をつなごうとする。優しく手をつないで相手に合わす歩き方をする。咲いている花を引っこ抜かないで優しく見守る。周りの子どものテンポに合わせて歩くことをする。         社会・精神

 散歩の時、保育者に命を守られ、病気にならないように配慮し疲れたときの甘えを受け入れることで乳児は養護に包まれた教育を受けることになります。

養護のねらい 「散歩の時安全で保健衛生的な環境の中で情緒の安定を図る」
養護の内容  「散歩に出る前に全員の体温をチェックする」〈衣服の調整をする〉「車が通るときは適切に対応する」「熱が出ていそうかどうか赤ら顔の乳児がいたら留意する」

教育のねらい「散歩で快適な青空の環境を味わい心地よさを感じる」 「安心できる先生とのやり取りをして散歩する喜びを感じる」「散歩で身の周りの者に親しみ、様々なものに興味・関心を持つ」

教育の内容 「身体を充分使って立つ・歩いて動かす・乳児からの指差しや言葉のサインを受け止め、欲求を満たす。散歩で保育者からの語り掛け、歌いかけ、喃語への受け止めを通して発語の意欲を育てる。散歩で見つけた花の色・形・匂い、鳥の声、手触りによる水の冷たさなどを気づく。」

環境構成
 散歩のコースで危険な箇所を把握して乳児が歩いても保健衛生的で安全なコースを準備しておく。花が咲いているコース。犬を飼っている家を通るコース。公園で遊ぶ場所があるコースを選んでおく。
 人的環境として乳児が乳母車に乗る姿や歩く姿を見せる。
 雰囲気として、そんなにわがまま言うと置いて行ってしまうよといった虐待の態度を示さないで笑顔で温かい雰囲気を作る。

予想される活動
 手をつながないで一人で歩く。乳母車から降りようとする。友達の手を引っ張って転がす。フラフラと歩く。手をつないで友達とゆっくり歩く。花や虫を見つけていつまでもその場に座っている。先生の歌を聞いて歩く。途中で出会った人に挨拶する。近所の人に挨拶されても黙っている。犬にあうと触ろうとする。公園で危険なことをする。公園の施設で使う順番を守らない。

発達支援
 乳児に優しく手を握り、テンポを併せて笑顔で歩く「自分は先生から愛されていると感じる散歩を体験させる。」

 〇〇ちゃんと仲良く手をつないで乳母車乗れてよかったね「一緒に乗っているだけで温かい雰囲気を味わっている体験をさせる」
 桜の花びら見つけてきれいだねと共感する「新しい発見をして知識や思考力が育っていることを気づかせる」

 鳥の声で〇〇の鳥と違って鳴いているのを気づいたねと受け入れる「判断したことを認めてほめることで自分には力があることを自覚させる」
 友達の手を優しく握って素晴らしいねと褒める「思いやりの第一歩を気づかせ非認知能力を育てる保育に結び付ける」

 最後まで歩いて我慢して素晴らしいねと褒める「最後まで忍耐した学びに向かう力を持っていることを気づかせる。」
 鳥の鳴き声をまね出来てうれしいね〈自分で考えた思考力、声が出たこと、自分なりに表現したことを具体的に気付かせる。〉  

 三つの柱を基本に乳児保育においても発達「資質と能力」を促す散歩の保育を点検・評価したいものです。特に、笑顔で〇〇する。優しく〇〇する。保育者の手のぬくもりを与えるといった温かい愛のある保育を与えて生きる喜びを味合わせることです。

 また、散歩で今までどれだけ乳幼児の命が無くなったかを考えると〈予想される活動〉を立案することで少しでも事故を防ぐことに結び付きます。保育者の気分転換の散歩でなく乳児が主語でいたいものです。

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