保育の基本 69指導計画に養護の立案がない場合、事故があると業務上過失致死罪で逮捕される場合がありますよ。

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             東海学園大学   飯田 和也

  指導計画に教育だけが立案されて保育実践する時、地震・津波・火事・大雨・洪水・台風・熱中症・散歩などで大きなけが・事故が起きた時、保護者や警察に対して説明が出来る資料になっていますか。また食中毒などを含めて死亡事故のときに園長や担任が業務上過失致死罪で逮捕されない計画と実践が求められます。幼児教育は乳幼児が自分で○○する力を身につけるための計画と実践になります。乳幼児が将来困難に対処するために、さまざまな発達の視点として五領域で捉えることで幅広く発達しているか、また発達を身につけるために保障するのが教育と言えます。しかし、困難に対処できない乳幼児や身についていない障害児には、保育者が命を護り、情緒の安定を図ることが求められます。この大人がする・図るという養護の中身は、保育者が地震や津波で帰れなくなった乳幼児に対して、保護者に保育園に送って来た時のそのままの姿で渡す事です。同じく台風や大雨・洪水で避難指示や勧告が出て帰れなかった時に、保育者が子どもの命を護り、病気にさせないために保健衛生的な環境を作り、寒さや暑さから護り、のどの渇きや空腹のとき生理的欲求を満たすため水分補給や食事を与える事を大人がしなければなりません。夏の暑いときに、熱中症になっているにもかかわらず頑張って運動会の練習をさせたり、水分補給をしないで散歩したり、訓練や鍛錬を大人の都合でする保育は問題となります。乳幼児は自分で地震や津波から逃げる事が出来ません。また、何日も保育園や避難所にいなければならない時に乳幼児や障害児は自分でオムツを替えたり、食事を摂ること、着替えること、痛い・悲しい・辛いという言葉を発することができません。このような乳幼児の一人ひとりの能力を考え、命を護り、情緒の安定を図り、生理的欲求を満たし、保健衛生的な環境を保育士がする養護の内容を何処に立案してあるかと問われたときに、養護の立案がない、また保育者の対応が一人ひとりの発達にふさわしくないと保護者や警察から問題視される場合があります。「避難訓練に参加する」ことが立案・記入されているから問題ありませんではすみません。乳幼児や困難に対処する力のない子どもに対して保育者として「命を護るための立案がどこに記入されていますか」「散歩の最中で交通事故にならないため命を護るための大人のする態度が記入されていますか」「津波の後、死体が流れていたり、真っ暗やみの中でママはと問われた時情緒の安定を図るための立案が記入してありますか」『食中毒を起こした時、どのような環境でしたか、又、的確な処理をしていましたか』と問われて、記入がなく保護者への対応が的確でない場合、問題になると逮捕されることになります。

これらへの対応として保育課程に養護の言葉は『保育士が○○図る・する』という命を守ることや情緒の安定を図ること、保健衛生的な環境をつくり、生理的欲求を満たすという立案が必要になります。

また、保育課程の中の理念や目的・目標・そして保育方針にも、乳幼児に基本的習慣や態度を身につけさせる教育をする前に大人が命を護る事を立案していなければなりません。この保育課程を整理した基本により『年間指導計画』「月案指導計画」「週案指導計画」「日案指導計画」などのどこかに養護の欄を設定して『養護のねらい」を記入したいものです。「乳幼児の生命を護り、保健衛生的な環境を作り、情緒の安定を図る」といった一文でいいから工夫して立案しておきたいものです。

また、養護の内容の欄には、台風シーズンの季節では『台風や大雨・洪水などの異常な状況の場合には適切に対応する」夏の暑さでは『乳幼児が熱中症にならないように過ごしやすい環境をつくり、水分補給をして快適に生活できるようにする」散歩では「乳幼児が交通事故に遭わないように保育者が、列の前後から言葉をかけたり、車の動きや飛び出す子を配慮して車から命を護る』年間指導計画の養護の内容欄には「突然の地震・津波の時に乳幼児の命を護り、保健衛生的な環境を作り、生理的欲求を満たすようにする』「乳幼児や障害児が食中毒にならないようにトイレの後、遊んだ後の手洗いやうがいを一緒にする」といった文章を保育課程の中や指導計画に立案記入することで、保育所全体が共通の考えを示し説明することが出来るようにしておきたいものです。

幼児教育の五領域の立案だけに限らず、養護を立案することで「保育所の一日が養護に包まれて教育がある」といった乳幼児は大人からの積極的な保護と世話により、情緒的な安定となります。そして大人に見守られている事で、乳幼児が主体的に環境へ関わる力となります。幼保一体化の流れの中で教育が教師主導の大人の都合の立案と実践に偏るのでなく、乳幼児主体も取り入れたバランスが問われます。しかし、幼稚園も保育所も子ども園も命を護ること情緒の安定を図ること、保健衛生的な環境を整え、乳幼児や障害児を含めた子どもの最善の利益となるには『養護に包まれた教育』と言う考えを整理するチャンスと言えます。決して昭和の『ねらい』のない到達目標のような望ましい活動を基本にした大人主導の教育にならないために、3/11の地震・津波を考えると養護の考えのない立案や実践は間違っていることを認識しなければなりません。理事長・園長・主任・担任が業務上過失致死罪で逮捕されることがないような保育の計画と保育実践が出来るために保育関係者の保育の質を高める努力が望まれます。

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