研修資料 1号 三つの柱の発達の中身を会得して立案と実践、そして保育実践の観察で点検・評価し自己改善できて保育の質が高まる研修ができます。
飯田 和也
こども園・保育園・幼稚園の保育者がただ三つの柱の言葉を知っているだけでは、自分は勝手な解釈だけで立案・実践して自分の保育の質が高まりません。
園内研修をするときに全員が会得して臨まなければ話し合う時の土台が共通でなく勝手な解釈をしてしまうことになりやすい。保育観がズレたままでは子どもの発達の保障が正しいか正しくないか気づかない自己満足な保育に結び付くことになります。 子どもの発達「資質と能力」を共有して理解するため、三つの柱 1 知識・技能 2 思考力・判断力・表現力 3 非認知能力=知能テストでは測りづらい学びに向かう力・人間性が述べられています。
この三つの言葉について共有が原点ですが、多くの保育者は三つの言葉は知っているというが中身を園全体で統一して考えていないため各自が勝手な解釈をしてバラバラな保育=教育をしている場合が見られます。これでは乳幼児は発達を正しく理解されないため発達を幅広く援助されていない不幸な保育経験になり、小学校に進むことに結び付きます。
三つの言葉の中身を園全体で共有することが小学校以上の教育体験を迎えるうえで重要です。自分の園で中身に対して理解するために具体的な保育場面で確認する場を通して園全体が共有できる研修が求められます。
1 知識 技能=何を感じ・気づき・わかり・できるようになる
2 思考力 判断力 表現力=どう考え・試し・工夫し・自分なりに表現する
3 非認知能力=挑戦する・我慢して最後までやり通す・思いやり・自尊心
この三つの柱「資質と能力」は小学校学習指導要領とつながって「生きる力」に結び付きます。言葉だけでなく中身を共有することが幼児教育から高校まで必要といえます。
小学校の先生も三つの柱の中身を理解しアクティブラーニングの視点から「何を学ぶ」でなく「どのように学ぶ」を考えるとき、三つの柱を参考にして結び付ける教育が求められます。知識や技術を教え込むだけでなく子どもが主体的に学ぶ、生きる力をつけることです。
保育実践をするとき、ねらいの立案者がどのような意図で三つの柱を捉えているかを話し合うことで言葉の使い方・意味について共有でき保育の質の高さをあげることに結び付きます。
研修では、具体的に出席者が理解しているかを確かめるために、例えば参加者の一人に本日の保育は何をしましたか。「ねらいを発表してください」となり「椅子取りゲーム」をしました。
「では「ねらいは」の質問に対して、「椅子取りゲームで友達と楽しむ」という言葉がありました。
それに対して三つの柱の発達支援の中身と結び付けてください。と問いかけて参加者も理解する場を設定しました。
本人との三つの中身についてやり取りをしながら一つ一つを結び付ける場を作り、参加者も知識とこのような考えで作る方法の一つを共有する場になりました。
1 知識 =椅子取りゲームのルールを理解して楽しむ。技術=体を使って椅子を奪う。「このように椅子取りゲームの知識と椅子をとるための技術を身につけて楽しむゲームということです。
これは今までの幼児教育には必要といえます。しかし、これだけでは「生きる力」に結び付けるには偏っていたので次の中身が考慮されました。それは、こども園・保育園・幼稚園だけでなく高校卒業まで教育は続くという考えです。
特に、大学入試には自分なりの表現力が求められ社会に出てから生き抜く力の基礎として大切な教育になります。
2 思考力=空いている椅子を自分で考え・発見する。判断力=どうすれば空いている椅子を判断して見つけるか。表現力=見つけたら自分のお尻で素早く座って取る。身体を動かして早く動く力。
「椅子取りゲームの知識や技術を通して、たくさんある椅子を把握して空いている椅子を発見する力を持つこと、さらにどこに空いている椅子が出てきそうか判断をする力。また、空いている椅子をとるためには自分はどうしたらとれるか、手を使うか、足を出すか、お尻を入れるか自分なりに表現する力をつけて楽しむ力を身につけ生きる力の基礎とする。
3 非認知能力 知能テストでは測りづらい挑戦=他のこどもに負けないで音が止まったら急いで取りに行くことに恥ずかしがらないでチャレンジする。チャンピオンになろうとする。
最後まで我慢してやり遂げる=音が止まってもあきらめないで手・足・そしてお尻で我慢して椅子を奪う。
思いやり=友達が椅子取りを 我慢しているのを〇〇ちゃん頑張れと応援する。自尊心=負けたけれど自分はチャレンジした力を身につけた。二番だったけれど我慢する力を持つことができる力を体験する。
このように三つの柱を通して乳幼児の資質と能力があることを観察し、子どもに発達を気づかせ、資質と能力があることを親に具体的に伝え、小学校以上になっても社会で出てから生きる力の基礎を偏らないで五領域で捉えて発達を保障する教育が求められます。
このような研修をしました。続きはありますが長いと読まない・読もうとしないために今回は二ページまでとします。こどものため素晴らしい研修が続きます。