乳児が泣いている時、幸せと感じる愛のある保育

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乳児が泣いている時、幸せと感じる愛のある保育

乳児が泣いている時幸せと感じる温かい愛のある保育

飯田 和也

母親は乳幼児を保育園やこども園に預けたときに、わが子を大切に預かってくれるか心配で朝の別れをします。迎えに行ったとき、「ママ、お母さん、」と声が出て笑顔で抱き着いてきたときに「今日、一日ごめんね、」でも、この笑顔が見られて安心したと抱きしめて親子の愛を確かめる時が夕方の迎えです。

保育園・こども園では、養護に包まれて教育があるという言葉で、保育者の働きの一つである養護という乳幼児の命を守る言葉と、同じように大切な情緒の安定を図るため、乳幼児の甘えの欲求を受け入れて愛しているよという温かい雰囲気を作り信頼関係を育てることがあります。

母親や父親から離されて不安となり、離れたくないと泣いて園に入ってきた時に、親と離れても「ここで泣いていいのだよ」という温かい雰囲気をつくり、安心する場を与えられることで情緒が安定する温かい保育です。親から離れている時に時々思い出して淋しくなった気持ちの甘えたいことを受け入れられて温かい愛のある雰囲気を味わうことで心が落ち着く保育が求められています。

 

ねらい 一人ひとりの乳児の甘えたいという欲求を満たし情緒の安定を図る。

 

内容  保育者の一人一人が育った環境の違いにより、甘えたい気持ちを理解し

保育室で愛されていると感じるようにする。泣いたときに優しく抱き上手な保育で落ち着く保育をする。保育者の愛情豊かな受け入れる気持ちにより穏やかな保育をする。

 

環境構成 物的 園全体が建築家の遊びでなく温かい色づかい・子どもの動きや体の大きさに合わせた導線のある室内やおもちゃを準備する。ゆったりした音楽を流すように準備する。家庭と同じような絵本、ブロック、ボール、ぬいぐるみ、ごっこ遊びの道具、電車、車などの清潔で安心できるものを準備しておく。

人的 保育者は子どもが泣いている時、落ち着いて受け入れる笑顔と優しい言葉と温かい抱き上手な姿勢を示す。保育室には笑顔のあふれた先生や友達、泣いたり・怒ったりしても受け止めている保育者の温かい姿を示す。

雰囲気 ここで泣いても大丈夫という心で受け止め、乳児に不安を抱かせない信頼感を味合わせるため温かい雰囲気を作る。

保育者同士が温かいやり取りのある交流による雰囲気を作る。

配慮  保育だけでなく母親への安心感をどのように対応するかも重要な保育と言えます。母親の情緒的な安心感があって乳幼児は安定した生活が出来ます。母親が日常不安であれば鏡となって子どもは不安となります。

母親への支援として乳幼児が園で笑顔があり、落ち着いていることを具体的に伝えることで、家庭にいる時と朝の登園が落ち着いた笑顔に親子がなり、一日が穏やかとなるようにすることです。

迎えに来た時に、「今日は大丈夫でしたよ」「元気に遊んでいましたよ」「楽しそうでしたよ」という先生の感想文の言葉かけは母親にとっては安心感に結び付きません。

母親に子どもの一日の生活の姿が具体的に伝えなければ安心できません。

「朝泣いていたけど優しく抱いて昨日のピカチュのぬいぐるみを与えたら泣き止んでケロッとしました。安心してください」「朝、泣いたけど窓から車を見せたら泣き止みました。少しの時間でしたよ。」「別れるとき、泣いたけれどお母さんが見えなくなっても優しく抱いていると止まりました」

「今日は動物の絵本や乗り物の絵本を触ったり、繰り返し見ていました」「〇〇ちゃんと給食を並んで××の取り合いをしないでいました」「お兄ちゃんが妹の▽▽を心配そうに見に来たり、ぬいぐるみを貸そうとして優しい場面も見られて安心ですね」

「鼻水が出ていたので気持ちいいねと優しく拭きました。」「優しく鼻水を拭いてあげるとおとなしく拭かせていたので家でもよく鼻水が出ていてもそっと拭いてあげるといいと思います。」「目と目が合った時に笑顔でにこっとすると嬉しそうに微笑み返して本当にかわいい時で、幸せですね」「自分からパンツをつかんで脱ごうとしているので少し手伝うとできそうになり力がついてきていいですね」

このように母親は園でどのようにかかわっているか知りたい心で一日をすごしています。悪いことを言いすぎるのでなく、先生もこの子と保育していると楽しい・かわいい・気持ちがいいという温かい雰囲気を味合わせて一日を終えて「園に預けてよかった。この子の発達を伝えていただいて幸せ」という感覚にするのが保育のプロといえます。

母親に早く大きく成長させるための助言をしすぎないこと。今、子育てで仕事が一番大変な時に子どものかわいさを見失っていることが多い時期です。そこで保育園やこども園で保育のプロとして「わが子の発達を気づかせてくれる場を 与えられることでどれだけ救われるかを体験させることです。」

それには保育の場でいいところ・発達したこと・家庭とは良いように違っていると思われることを,帰りに伝えることが温かい愛のある雰囲気づくりに結び付きます。

母親が安心して保育園やこども園に向き合うことで、乳幼児も親の笑顔から安定した一日に結び付きます。すると子どもは楽しそうな笑顔があり、ありがとうの飛び交っている温かい雰囲気を感じて幸せな気持ちに結び付きます。

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