保育は、親に理論で方針を説得することも大切だが、子どもが笑顔を見せる姿を作ることで親が変わる
国際子ども研究所 飯田 和也
入園時、外国籍の子どもの受け入れと、今まで保育に関心を持たなかった日本の保護者も、言葉・理論で園の方針やルールを伝え理解させることは困難が多い。
しかし、親に、子どもの入園から温かい雰囲気を作り、少しでも子どもに笑顔が出る保育を味合わせることで、早く安心させることができれば信頼関係が確立し、それから方針を説明すれば納得する。
日本語が理解できない外国籍の保護者も日本人の親でも、初めて子どもを幼稚園・保育園・こども園に入園させるとき、園の方針・園の決まり事などを言葉=理論で説明しても理解できない人がいるのは,どちらも同じと思って対応することが重要です。
外国籍だから日本語で理解してもらうのは困難ということは当たり前です。
日本人の保護者でも日本語でコミュニケーションの取れない日本人の親がいるのも、同じという見方で説明会を理論で開催するより、子どもへの愛し方は全世界共通で子どもが笑顔・子どもが抱かれることでぬくもりを味わう・優しい言葉の使い方で愛し方を示し・園の温かい雰囲気を具体的にしていることを、説明することで親は心を開くことになります。
初めて園に来た親に対して、園での約束・説明は、優しく・わかりやすく・丁寧に・言いっぱなしにしないこと、さらに繰り返し丁寧にを原則とします。
親に言葉ではなかなか説明できないので温かい愛のある雰囲気とは、先生の笑顔・子どもたちの笑顔が飛び交っているのを保育室や園庭で味わってください。この笑顔があふれていることが、先生や友達に愛されていると感じ、情緒が安定する保育の方針には大切と示し・説明します。具体的に子どもや先生の明るい声を説明することで、雰囲気を納得してもらうことか第一と言えます。
ほとんどの親は、幼稚園は教育、保育園は預かるだけといった考えで、教育も保育も正しく理解している保護者が少ないのが当たり前と思って、親対応は子どもを抱き合わせて対応するのが今後の保護者対策には結び付きます。
〈養護に包まれて教育がある」という保育の中身について理解できる保護者になるには、わが子が保育という現場を体験して初めて教育は〇〇だといった感覚になります。
入園してから保育には子どもが主語であれば親は子どもが変わった後から保育を理解します。子どもの成長・発達から言葉・専門用語が理解できなくても、子どものため必死になって保育を理解しようとする姿勢を取り入れることが出来、子どもから信頼関係を確立する場面には早いと思われます。
「習うより慣れろ」という日本語の言葉を取り上げます。教育の言葉を理解させることは、困難が多いので子どもが保育で変容する姿を体験した方が外国籍の親や教育・保育に関心が少ない親には効果的と言えます。
まとめてみますと
・ 日本語・理論を教えようとしすぎないで手を握り、抱きしめ・笑顔で肌のぬくもりを感じさせることから温かい雰囲気を作ることから始めます。
・ 簡単な日常の挨拶とありがとう、さらには保育の歌を好きに歌わせ、言葉を楽しむ姿を受け止める[一日の歌・朝の歌・‥」しゃべらなくても楽しむ保育へ。
・ 共に泣いてくれるテンポのあう友達一人見つけ、笑顔が出るように広げる
・ 発表会では、歌・踊り・日本語だけでなく身体表現など得意な資質と能力を見つけて発揮させて「ねらい」にある卒園まででいいですよ、小学校になってからでも生きていけるよ。入園時日本語正しく話せなくても、間違っていても・失敗してもいいよと温かく見守る保育が子どもにも保護者にも求められます。
しかし、大人視線の調査、保育者の立場の調査、大学人らによる調査などから次のような資料が見られ考えさせられました。
幼稚園・保育園・認定こども園の保育者を対象にした調査によると、
外国籍の親と子どもの困難さや戸惑いは、〈保育者・経営者が外国籍の保護者とコミュニケーションが取れない〉「文化、価値観の違いから食事、服装のルールなどのトラブル」「園の方針を理解してもらうのが難しい」そして解決策として翻訳アプリ、母国語ができる人に説明、漢字圏には漢字、必要な言葉を調べて表作り、国別に言葉の表など努力しているが困難な状況は続いている保育現場の実態が報告されていました。調査対象の七割前後の園は「保育方針を理解し受け入れてもらえるなら受け入れる」消極的な姿勢でした。
この資料では、具体的に保護者の立場に立った受容と寛容が必要とまとめていますが参考としたいものです。。
外国籍の保護者、園の方針を理解しようとしない日本人の保護者を含めて、わが子が家庭で笑顔、元気で可愛い時、嬉しそうにしている行動を見て充実感を感じながら、初めて保育園・幼稚園・こども園に入れることで笑顔が見られ、明るく・元気な姿が出る場から入園させて良かったと思えることを与える保育です。
言葉の理解でなく保育の中で保護者と基本的信頼感を確立するのは笑顔からです。
笑顔には、日本語を正しく使う事だけでなく、保護者も子どもも家庭と同じ温かい愛のある雰囲気を与えられることです。
言葉と表情を大切に受け入れてくれる園にかかわりたい、親や子どもたちが間違っても聞いてくれる人が一人いることで外国籍に限らず,集団で育てられることが生きる力に結びつきます。