跳びづらい紐を通して、高校卒業まで発達を保障する教育

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跳びづらい紐を通して、高校卒業まで発達を保障する教育

三つの柱「資質・能力」の三つをどのように理解し、高校卒業までに知識・技能、そして思考力・判断力・表現力だけでなく、三つ目の学びに向かう力・人間性を育てていなかったかという反省が教育界に求められます。 

特に、非認知的能力「心情・意慾・態度等が育つ中でいかにより良い生活を営むか」この知能テストでは測りづらい視点を幼児期の教育で取り上げ、自園の特色に結び付けたいものです。

 飯田 和也

 跳びづらい紐を通して発達「三つの柱」を保障する演習

跳びづらい紐を通して子どもの心『心情・意慾・態度等が育つ中でいかにより良い生活を営むかを理解する 

先生役と子ども役の二人でお互いの立場を理解し、保育実践に結び付けます。

一回目 子ども役の人、紐の最先端をもって跳んでいる姿を見せます

 先生役に、子どもの姿を観察して言葉をかけてもらいます。何を観察するかは三つの柱をどのように理解しているかによって変わります。

今までの保育では三つの柱の一つ目、紐を跳ぶ知識として前跳び・後ろ跳び・あや跳びを理解させ、跳ぶ技能を身につけさせ縄跳びを上手に跳ばせれば良い幼児教育・保育をしていると思い込んでいた教育がまかり通っていました。

すると頑張って跳ぶ力をつけるために頑張らせる教育が良い縄跳びの指導としていた。そのため「すごいすごい」「頑張れ」「もっと跳べるよ」「何回も跳ぶと「わあ、上手」「もっと跳んで見せて」という、このように姿だけを捉えて子どもの心に届かない言葉をかける場合がありました。

ここで大切なのが跳べた喜びとは、子どもは跳べた回数を数えて欲しい、具体的に自分が跳んだことを認めて数えて欲しい状況と言えます。このような縄跳びを跳ばせる教育が中心でした。

 しかし、ここで社会的自立には不足しているのが知識と技術だけでなく、思考力・判断力・表現力を身につけていないと世界の中で生きていけないことが問題となります。そして、三つの柱が話題になります。

今までの教育方法の改善として三つの柱の2と3が持ち上がりました。幼児期だけでなく高校卒業まで思考力や判断力、そして表現力は身につけて生きていくこと、それは大学入学テストにまで影響が出てきて勉強に工夫が求められます。

例としてテストの中で100字から120字にまとめて表現する力が必要と言えます。

このような考えを保育者は体験するための演習を次に示します。

二回目 

今までの縄跳びの知識と技術を教え込む教育・狭育・狂育でなく、三つの柱の二つ目、思考力・判断力・表現力が育っていることを観察し、子どもたちにそれを伝える保育・教育が求められます。

 今までの教育は縄跳びではたくさん上手に跳ぶことを教えることに問われていました。従って跳んだ数を保育者は数えてあげることで子どもは満足していると思い数えてあげることで跳ばせる教育でした。

 しかし、ここで三つの柱の二つ目の基本として思考力・判断力・表現力を見つけ、気付かせ、資質と能力があることを子どもに自覚させて発達を保障する保育・教育が課題と言えます。

みんなの前で跳ぶ・数えてあげることでとんだ喜びが与えられます 。しかし、今回の三つの柱を理解して発達支援することが求められます。その中身として一回目、二回目・三回目と何度もチャレンジして最後まで我慢して前跳びが跳んだ、後ろ跳びが跳べた。あや跳び・交差跳びが跳べた時の子どもの心を見つけ、三つの柱の資質・能力を身につけたことを保障することです。

三回目 今までと違う個所を見つけて言葉をかけることです。二回目までと違って多く跳んでもらいます。子ども役に20回以上を跳んで欲しいと依頼します。その時に今までと違う行動をしてもらいます。

 紐の性質を理解します。 紐を短く持ちます。ここで、思考力を使わせます

 長さを工夫します。前と異なった長さかどうか判断します。この紐は軽いので真ん中にこぶを作って錘を付け真ん中を判断します。重さはこれでいいか考えて思考力を使います。

 表現力として、手を大きく回し、足を高く上げ、目線を考えて跳び表現します。足の音が違います。途中で疲れてテンポを変え、リズムを変えて休みます。このような指示をして最後までがんばって跳んでもらいます。 多くの参加者に言葉をかけてもらいます。

跳んだ人は、三つを意識している人としていない人の差が理解できる体験となります。

 結論 縄跳びの知識、前に出してぴょん・前跳び・後ろ跳び・交差跳び・あや跳び・二重跳ぶ技能を上手に身につけていたのは昔の教育です。

今回、紐を短くし新しい発見した思考力。真ん中に錘を付けた思考力。前と違った箇所を工夫した判断力、音の違いを気づき・テンポやリズムを自分なりに変えた表現力。

 ここまでが三つの柱の二つ目の資質と能力と言えます。このように昔の知識と技能だけの教育から自分で新しい発見をし、いままでと違う判断を通して自分なりに表現する力を気づかせるのが新しい教育となります。

 特に自分なりに表現することは言葉であったり、身体表現であったり、文章でまとめて伝えることが社会に出てから求められます。このような能力はすぐに身につきません。

高校卒業までに身につき社会に出てから試されます。また、そのために大学入試においても求められるように日本の教育が変わりました。

しかし、これだけでなく三つ目の「学びに向かう力、人間性等非認知的能力、心情・意慾・態度等が育つ中でいかにより良い生活を営むか」という知能テストでは測り知れない資質と能力を身につけることも日本人として大切なことと問われています。

最後まで跳べた時に名前を呼んで具体的に共感し我慢してやり遂げたことを認めてくれた先生。もっとやりたくなるように励ましてくれてチャレンジする心を気づかせてくれた触れ合い。友達と仲良く協力して友達に思いやりを示した態度、跳べたことで縄跳びに自信をつけてくれた先生など知能テストでは測れない非認知的能力を見つけてくれた教育が求められます。

 一緒に数えてあげる先生、そして前に比べて考え、工夫、表現して最後まで頑張り、チャレンジする力を見つけてくれる保育が三つの柱です。

 子どもたちに我慢させる教育だけでなく我慢して最後までやり遂げ自己統制する資質と能力を気づく感性を持ち、失敗してもいいよという温かい愛のある雰囲気を伝え「養護に包まれて教育がある」という情緒の安定を図る保育・教育により非認知能力「心情・意慾・態度等が育つ中でいかにより良い生活を営むか」が身につきます。

 この三つ目の知能テストでは測れない資質と能力を保障する保育をしているのが自分の園の特色にして親と子に生き抜く力を与えたいものです。

 この三つの柱資質と能力を考え将来社会的自立を理解しない保育現場,特に三つ目のいかにより良い生活をいとなむか解釈を正しくとらえることが教育界では求められます。

 正しい情報を持たないと問題な研修会が見られます。園内研修・研修会の点検・評価・改善が保育界に求められています。

  • やりたくない子の主体性を大切にするといって自由=放任の研修会
  • 朝のあつまりと帰りの集まりをしない保育がいいという、三つの柱の発達を正しく理解しない、発達の保障しない研究者の自己満足な保育実践研修会 
  • 遊びの継続のみを焦点にする偏った発達支援の研修会は、社会的自立を理解していない
  • 食事は好きなように好きなところで好きなだけという研修会は、保育の内容を抑えていない偏った研修会
  • 壁面の装飾で主語は誰かを話し合う点検・評価することの大切さ。
  • 運動会の鼓笛禁止はすべてでないこと、素人の指導でなく本当に楽しい指導の研修会をとりあげているか点検すること。
  • 見守り保育での放任保育の正しい情報の研修会

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