先輩が主語・後輩が主語・新人が主語
飯田 和也
リーダーとして、 自分のことしか考えられない人・相手の立場を考えようとしない人は乳幼児や仲間、後輩だけでなく組織を育てる能力のない問題な人といえます
クラスではリーダー、園では管理者の立場である人が自分の都合、又、組織として歯車が回っているのをすこしでも新人のテンポが異なり、リズムがずれると許す事が出来ない、苦になる、イライラする、面倒みたくない、ストレスを感じ顔の表情が変化する人がいます。
このようなリーダーがテンポやリズムの合わない人と組む事で組織に大きな損失を与える事になります。保育では複数での担任、複数の調理員、事務部門の複数などでお互いがかってに判断して効率が下がる事になります。
テンポの合わない人の意見を聞いて一緒に行動するより、自分ひとりで行った方が楽と一人で進める人がいます。いつまでたっても組織が育たない自分が主語と言う生き方が全体をだめにしている事を点検・評価して組織の改善に結びつけることです。
人を育てるには忍耐が必要で奥が深いということを気付かないで主語は自分で相手を理解しようとしない態度を改善する研修をすることです。例・ほめ上手になる研修『相手を良く見ること・相手を受入れる姿勢を持つ事』「職場でお互いがほめ合う研修をする場を持つ事」
一度、新人のために腰を落ち着けてじっくり時間を割いていますよ、一時間聞いてあげることしていますか。本音まで聴きだす聴き上手な先輩であれば育ちますが、この新人は〇〇と決め付けている問題な行動をしていることを反省しなければなりません。自分が主語、嫌な事を避け、自我能力の低い人、組織で育てる知恵を持とうとしない人で自分自身を改善する努力が要る生き方です。
保育の知識と技術は、リーダーが丁寧に繰り返しで新人を育てる事が出来ます
先輩の助言に対して素直で新しい発見ができたと自分で気づくことができる生き方、新しい仕事に前向きであり明るさと感謝する態度を周囲に示す人であれば育てることができます。
間違いを素直に認める生き方が求められている事を気付かせるため職員集団が認め・受け入れている態度を先輩同士が示す事が必要です。
リーダーとして「〇〇が出来るようになったね」と具体的な共感を通して一つひとつ自信を持たせ保育者としての自覚を育てる働きがあって新人は育ちます。得意な能力の芽をだすまでに新人は個人差があり、ピアノや折り紙・手遊び・紙芝居が得意・文章を書くことが好きといった一つだけでいいから見つけられる先輩でほめ上手な態度で、能力があることを自覚させ自信をつけるリーダーでいたいものです。
いくら丁寧に繰り返し〇〇を見てねと教えても能力が育たない新人には忍耐
先輩がモデルとなって環境構成で机の並べ方を示しても、並べ方は気づくが何故そのように並べたか理解できない新人。
コの字に机を並べているのを先輩はロの字のほうが年長児は意見交換しながら絵が描けて楽しい雰囲気が出来るからねと説明しても机を並べればそれでいいという子どもの発達のための環境構成と言うことが理解できない新人、自分の狭い知識だけで環境構成を捉え、今子どもの発達の中で何を気づかせるか・発見させるか・言われないと出来ない能力の低い新人は育てられないタイプです。
このような新人を雇ったために全員が協力して一つ一つ丁寧に環境構成・教材の選び方・置き方・子どもが教材をどのように手にとっていいか等具体的に養成校では詳しく教えてもらっていないため、具体的に知識を伝えるには大変な努力が要ります。一年間は忍耐が求められ全員が人生勉強の一つです。新人の事見守っている温かい雰囲気を作ってあげていますよ、これを感じて辛い事乗り切ってねとサインを出す職場でいたいものです。
将来の園経営・管理者になる可能性を全員が持っていることも念頭におきたいものです。リーダーは忍耐で知識を丁寧に学習させる努力。
能力はあっても聴く耳を持たない新人は育てる時に配慮
就職させた以上やめてもらうことはできないため、園の約束事と方針を丁寧に伝える事で時間をかけて保育者に育てることです。自分勝手な姿勢の人は一週間の保育実践の準備と片付け、実際の動き等一つひとつ具体的に約束をしなければ理解できないためボーとし、勝手に解釈した行動をしていることを理解し、相手にわかる言葉を使用します。
特に養護の命を守り、病気にさせない掃除や清潔な環境づくり、発達を保障する教育者ということを何度も伝え保育のプロの自覚を身につけるための知識と訓練の繰り返しです。知識が不足している事、技術が能力まで達していない場合は、新人の能力・技術にまで一度下ろして自信を取り戻す配慮が必要になります。
新人に多くのことを要求しないこと日案で朝の会だけ・給食の場面だけ・帰りの会だけの部分を作成させ見通しを持たせて実践させます。育てる時に出来る新人とそうでない新人を見極めて配慮し出来た時は具体的にほめ、間違っている時は意欲が出るように示し・説明が必要となります。
新人を育てる時、育てる立場が手をかけすぎると保育者として自立できないという考えは必要です。しかし、子どもを犠牲にすることではありません。
例えば、年少組の担当をしている新人にクラスの中で喧嘩して騒いでいたり、トイレで下着をあげられないで困って泣いている子がいたり、他の子どもたちも世話しなければならない時に、新人を困らせて自立させなければならないと手を出す事をしないリーダーは間違っています。
乳幼児が最善の利益と言う保育の目的があります。保育者を育てるための時間ではありません。リーダーが乳幼児の発達を保障しながら新人に保育の楽しさや乳幼児とかかわる嬉しさを体験させ、笑顔とやさしい言葉を身につけ保育のプロになるための働きが求められます。
個人記録がメモのようになってしまう新人 観察力を身につく指導が重要です
発達を子どもたちに気づかせ、母親にも伝えるには四月からの個人記録をつけることで伝えやすいから作成することを伝えます。
そして個人記録のノートを見ると乳幼児の行動に対するメモ程度が見られます。そこで大学で習った五領域『健康・人間関係・環境・言葉・表現』で書いてと伝えても五領域で発達を捉える学習が出来ていない実態です。このような新人には五領域はばらばらでなく総合的に絡み合って発達するという知識を伝える事から始めます。発達を五領域で偏らないで観察することが、初歩から園で教えなければプロにならない実態です。
絡み合って発達と言うことを理解させるために『言葉は聞いてくれる人がいるから話したくなる。言葉と人間関係が結びついて発語や理解語が発達する』と言うような簡単な事例をわかりやすく示し、説明する能力が新人から求められている事を把握して使うのがリーダーです。
仕事仲間と交流がもてない新人
一番近い年齢の保育者の中でうまがあう人を話し相手に選ぶ事、保育観が同じような相手、趣味が同じ、〇〇が同じといった配慮が必要な時代ともいえます。
自分の都合で数日仕事を休んだ次の日、リーダーの先生や園長・主任・同僚に「有難う」が言えない先生、周囲の人の心遣いを理解できない先生が時々います。
有難うが言えない保育者を育てる環境・職場こそが問題になります。時々、後輩だから「遠慮した」疲れて大変そうだから言わないで『遠慮した』もう少し時間を与えれば出来るだろうから「遠慮した」という言葉を保育現場で耳にします。
それは違います。遠慮していては組織として育ちません。又、遠慮して裏でこそこそと隠れて悪口を言う職場はさらに人間関係の雰囲気は悪くなります。管理者は、きちんと丁寧に自分が休んでいたことで先生方に迷惑をかけたならば素直に、〇〇で休みました。ご迷惑をおかけしました。昨日は代わりに保育していただき有難うございました。と伝える事が〇〇園の方針と明確にします。
今後、「有難う」を必ず伝えることが職場の温かい雰囲気を作るには必要なので約束して守らせる事です。職員同士の温かい雰囲気を乳幼児は敏感に肌で察知して生きる力のモデルに結びつき子どもに影響を与える事を把握させることです。
新人が困った時、苦しんでいる時、言葉かけなど解らなくなった時新人に一番近い相手が「共に泣いてあげられる」ことで救われることもあります。時には一緒に食事をしたり、園とは違う環境で温かい雰囲気を作りじっくりと腰を落ち着けて聴いてあげる場も大切といえます。
園の方針として感謝する態度、有難うを素直に伝えられる人間関係を気付かせることがリーダーとして重要になります。園の中で保育者も乳幼児も保護者も心から有難うと言っている時は表情豊かになり、能面の冷たい顔とは異なり乳幼児も新人に近づいてきます。
新人には『保育は楽しい』『乳幼児は可愛い』「子どもと一緒は幸せ」と言う感覚を少しでも多く味あわせることで保育者への道・プロに近づいていく温かい愛のある雰囲気を味あわせることがリーダーに求められています。
リーダーの笑顔と感謝の態度が新人には鏡になっていることを点検・評価したいものです。