国際子ども研究所 飯田 和也
温かい愛のある雰囲気が園全体に与えられるためには全ての人の連携です。
クラス担任とサブがばらばらな保育実践をしないために教育・保育課程の会得は重要です。現場の保育者が自分流に考えた保育をするのでなく自分が勤めている児童福祉の理念『第一条 すべての国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ,且つ、育成されるよう努めなければならない。2すべて児童は、等しくその生活を保障され、愛護されなければならない』・
子どもの権利条約「生きる・守られる・育つ・参加する権利の四つの柱」など参考として園の理念「創立者の根本の考え」公立であれば市町村の条例等を理解した創立の根本を共通に理解することで、地域の実態、子どもの実情、地域の保護者の要望、創立者の教育観・福祉観などに相応しい保育方法が共有できます。
昔の保育・教育は技術や知識を身につけるために上手に〇〇させることが良い保育と思われて理念を忘れてクラス担任が望ましい子ども像を作り、それに向かってがんばらせていた実態です。
リーダーは「〇〇させる」方法で自分の得意な五領域そして自分の教え方が一番いいと思いこんでいました。それを真似するのが後輩、また自分でとりいれなさいという態度でした。しかし、現在の新人に自分で真似はなかなかできません、言われなければ出来ません、それも解る言葉で優しく丁寧に言いっぱなしはしないことです。
リーダーとサブのお互いが共有し合う時に、経営者『理事長や市町村長』の何を大切にしているかという考えと具体的にどのように伝えたいかという保育方針を素直に聞くことです。時々園の理念や方針を再確認したいものです。
ここで注意することがあります。理念や方針を説明するとき責任者は、自分だけ理解している事を自己満足で話すのでありません、時には全教職員に伝わる具体的事例として聞いている全員がぴしっとする事例を話し、方針はこのようなことと言えることも大切になります。
例えば、教職員の中で経営者の理念や目的などを話している時にあちらこちらを向いたり、時計をみたり、腕や足を組んだり、聴く姿勢が悪い人がいます。このような人は愛されていないから人を愛する事ができない、子どもにも同じような態度をする人といえますよ。教師や家族に愛されていれば人の話をじっと聞く態度が育っています。聞く態度が悪い人はこの組織にはいりません、仕事ですよと言う話も大切になります。
聴く態度の約束を伝え、保育にも共通する事で何故かを組織全員に保育の基本を話すのが園長・主任の指導力と言えます。理念や方針の言葉を理解するだけでなく人とのかかわりや聴く態度も子どもや保護者を大切にする組織として見直し点検・評価・改善し全職員の保育を愛する態度を高めたいものです。
お互いに話し合うことをただ見守るのが上司と言う組織では長続きしません。理念・目的・目標・方針を一年間の始まる四月に園内研修で伝える事が共有する事になります。最初に伝えたからおしまいでなく時々点検・評価する時間も大切です。この点検・評価は指導計画の文章に癖として表れます。
理念や方針の点検の一例として、リーダーの言葉に「笑顔で〇〇する」「優しく△△する」「××したら有難うと言う姿をみせる」といった温かい愛のある雰囲気のなかで養護に包まれて教育があるという理念と目的、方針に添っている文章を見つけたらハートマークですよと伝えます。
そして、サブに具体的な文の中で、この個所「笑顔・優しく・ありがとう」をリーダーと同じような態度や雰囲気で一緒に実践することです。サブとしてリーダーの能力を認めること、そしてサブも素直に受け入れる態度があることを責任者として伝えられると素晴らしい連携が出来クラスの中に温かい雰囲気が出来ます。
責任者が自分の園の理念と方針で正しい情報を持ち、全教職員にわかりやすく、丁寧に伝えます。そして、文章で理念と方針に一致しているところ、実践で相応しい環境と発達支援しているところを評価して、具体的にほめる指導力が求められます。この能力が連携の力を高める事になります。
癖を直すには、知識の共有です。「ねらい」を自分勝手に考えるのでなく〇〇園修了までに育つ事が期待される生きる力の基礎となる心情・意欲・態度であり「内容」は、ねらいを達成するために指導する事項である。全員が園全体の考えとして共有する園内研修があって、お互いを理解しあうことで人間関係の雰囲気が温かくなります。
リーダーもサブも勝手な考えで保育をしないことです。数年実践していると自分の癖となっていることが分からなくなり、一人よがり・自分本位な実践をして他人の言葉に耳を傾けなくなる保育者がいます。学級王国の世界・先生という言葉を子どもや親から聞いて、自分は偉い・一番にしなければならない・できなければならないというプライドが高くなる人は注意しなければなりません。
複数で話し合いの場面から、リーダーはホワイトボードで1.2、そして 3. 4 と図示して踊りの動きとマイクの使い方を説明していました。リーダーは、サブの先生にココに立って○○して、△△させてという相手のサブの保育者に助言していました。
それを見ていて次のように助言しました、「サブには今、動かせる技術は聴いたね、しかし、温かい愛のある雰囲気を気づくことですよ、それは笑顔で○○踊れて、できた喜び、よかったねという気持ちとお母さん・お父さん発表会を見に来てくれてありがとうということを、心からリーダーが子どもたちに伝えようとしている気持ちがあるから言葉が温かい素晴らしい働きになっていることです。
これをサブである貴方は感性と知識を持つことで会得するのが保育のプロになります」「この園は知識と技術だけでなく子どもが子どもをほめる方針のこと、理念は、一人一人が生きる喜びと生きる力を味わい、親も子も教職員も共に高めあう教育ができること。
これを園の根本にしています」と伝えました。リーダーは母親になってから育休を通して母親としての自覚や客観的に保育の場を見直すことで働きかけが変容して大きく保育者として成長・発達していました。子どもへの温かさや愛の深まった態度を具体的に「温かい雰囲気のある言葉と触れあい」を指摘して自覚させることでさらに自信となったリーダーでした。久しぶりに現場に戻った育休あけの保育者はニコッと笑い嬉しそうな態度が印象的でした。
複数の保育者が話し合う時、技術と知識を伝えるだけでなく{どうして温かい愛のある雰囲気が必要か、さらにはどのように伝えるかという時、参考として理念・方針を基本に共通することで複数担任の真剣な連携が確立される}場面と言えます。
責任者は知識と技術と人を育てる心遣いを高める努力が求められ、常に前進する姿勢と乳幼児を愛することと同様に非常勤教職員を含めた全員を受け入れ・認め・ほめる態度により地域の人々と保護者から信頼されます。