今、話題になっている幼稚園・保育園・こども園の教育は同じと考えて下さい。生き抜く力を身につける教育について考えたいと思います。
「子どもの健全な心身の発達を図りつつ生涯にわたる人格形成の基礎を培う」という言葉で幼稚園や保育園、こども園修了までに辛い時・悲しい事やくやしい時を乗り切る力を身につけること。
そして、人にいわれないでも「自分で○○する」という態度を卒園までに培う事が教育です。
教育は、幼稚園・保育園・子ども園だけで終わるのでなく生涯・生きている限り辛い事が多い人生で切り開く知恵を見つけ、そして、自分で全て最後までやれる事ができる力を身につけることです。
まさに『勉強とウンチは人に言われてするものでない』という言葉になります。死ぬ直前まで自分でおしっこやウンチが出来、自分の歯で食べ、自分から着替える事ができれば最高の人生です。幼児期から死までを通して健全な心身の発達を作り、身につけることが幼稚園・保育園・こども園の教育となります。
ここで大切な事が小学校の教育である到達目標のように今日、上手に話すこと・こぼさないで食べること・失敗しないようにおしっこやウンチをすること・きれいに絵を描ける様にすることではありません。
それぞれの園修了までに健康「心も身体も健康で安全な生活を身につける」人間関係「多くの人々と親しみ支え合って生活し、自立心を身につける」環境「周囲の様々な環境にかかわり生活する力を身につける」言葉「自分なりの言葉で話したり、聞いたりする力を身につける」表現「自分なりの表現する力と感性を豊かにする」等を身につけて
小学校教育への接続を配慮しています。
辛い時や悲しい事、悔しい事を乗り切る力を身につけるには、家では甘えさせたりして、経験することが出来ません。幼稚園・保育園・こども園などの様々な友達がいる中で、仲間との物のとりあいや言葉でのいい争い等のかかわりの中で身につけることが出来ます。
また、自分で○○すると言う主体的な生き方は、自分から遊ぶ場面として園や家庭の中にたくさん含まれています。保育者が字を教えたり、数を数えさせたりすれば教育というだけではありません。絵を教える事、歌や踊りにも厳しく教えれば意欲が身につくということではありません。
保育者から命を守られ、甘えを受け入れられている温かい愛のある雰囲気の環境の中で遊ぶことで身体のこなしや手先の使い方・真似すること・考える事・ルールを守る事・思いやる心などを身につける教育が出来ます。
家庭とは異なり様々な先生や友達とのかかわりから将来困難に出会っても乗り切る力と言葉に言い表す事が出来なかった時に代わりに言ってくれる先生や友達との温かい心との出会いがあって生き抜く力に結びつきます。
幼児期の教育は遊びの大切さを理解して下さいというメッセージがこめられています。
ただ遊んでいるからだめ・仲良く遊んでいるからいいというのでなく遊びは奥が深いことを理解して下さい。遊びは一人で遊んでいる場面や隣同士で横に並んで遊ぶ時もあります。
そして三人以上で仲が良い時もけんかするときもあります。さらに集団が大きくなってルールを見つけ・守るようになることもあります。
同じ年齢だけでなく年上の子や年下の子との幅ひろいかかわりのある遊びから生きる喜びと生きる力を授かります。
「じっくり・ゆったり・温かく」親と言う漢字の木の上に立って長く見守ってあげて幼児期の教育を理解して下さい。
次回は環境の教育です。
園長 飯田 和也