「あなたのために腰を落ち着けて、特別な関心を持って聴こうとしていますよ」という態度をすることも大切です。このような聴く態度により子どもや夫や妻は「心を開き受け入れられている・認められている・愛されている」という感覚になります。一日に一回でいいから家族の中でしたいものです。しかし、忙しい日常において出来なければ一週間に一回夫婦でも、親子でも十五分でいいから時間を割きたいものです。
このような聴く態度に対して、夫婦でも親子でも先生でも『してはならない態度』があります。次にいくつかまとめました参考にしていただければ幸いです。
「子どもの話す内容を聴こうとしない態度」があります。子どもの話だから話す内容は程度が低いと決め付けて最初から聞いていないという態度があります。聴く側に、自分のほうの程度が上とか立場が強いとか、何でも知っているという気持ちで触れ合うことです。このような態度では子ども(相手)は聴く態度がないと話したい意欲に結びつきません。次に「聞きたくないデータを使って子どもに(相手)に説明する時間を与えないですぐ結論に結びつける態度」です。「お母さん・・がこうだったよ」と言うと「そうでないでしようね・・は××ですよ」と自分のデータで説明して子ども(相手)の話す内容をデータで決め付けて話したいことを止めさせてしまう態度です。さらに『子ども(相手)は自分と同じ考えと思い込む態度』があります。今まで家族として一緒に生活していて同じような生活だから考えもきっと同じと思い込みじっくりと聴かなくていいという態度です。子どもにとっては、お母さんは本当に自分のこと解かってくれていないという気持ちになります。「子ども(相手)が話しているのに周囲の音や声や動くものに気をとられたり、チラチラと他を見たり、上の空で聞いて集中力の欠如している態度」もあります。子ども(相手)が真剣に話しているのに時間を気にしたり、他の動きをチラと見たり、夕飯のおかずのことを考えたり、早く片付けなくてはならないという態度をすると、子ども(相手)は、自分のこと愛していない・認めていないという感覚になります。会議の場や学生が講義の時に時計をチラチラと見る態度も心ここにあらずという姿となり聴く態度の育っていない人とすぐ見透かされ注意したいものです。「自分の聴きたいことしか聴かない態度」があります。相手の言葉に言い表すことが出来ない喜怒哀楽(心情)を認めることや話したいことを理解しないで自分の聴きたいことしか聴こうとしない態度をする場合があります。このように自分のことしか頭にない生き方をして人間的に魅力の少ない話し相手から外されます。また「子ども(相手)の考えを言う時間を与えないで母親の思い・願い・意見ばかりを独占してしまう態度」もあります。自分は考えとして○○持っている、こんな考えも大切にして欲しい、面白いこと・不思議こと聴いて欲しいという時に、聴かないで自分の考えばかりを独占されることで話す意欲をなくしてしまいます。このように子ども(相手)に対して「してはならない態度」をいくつか取り上げました。相手が話したくなる聴き上手な態度をすることで心の交流ができ、自分で考える知的発達が進みます。また、認められている・受け入れられているという安定感から情緒的発達もできます。言葉は聴いてくれる人がいるから話したくなるという友達や多くの人とかかわりたいという社会的発達が保障されることになります。この幼児期における家庭や保育園・幼稚園で聴き上手な人間関係をしっかりと作り、広めていきたいものです。
園長 飯田 和也