子どものいいなりになって子育てを続けてしまうと、子どもは周囲の子どもの痛みや悲しみ、苦しみを理解しない自己中心的な行動をしたり、我慢ができなくわがままな態度になりやすい場合があります。
また、親として子ども中心の生活を大切にしすぎると子どもは自分を抑える事ができない態度になる場合もあります。子どもが可愛くて可愛くて目の中に入れても痛くないという溺愛すると家庭の中では元気良く・一歩外に出ると恥ずかしくて何も言えない、うち弁慶になる事もあります。
さらに、家庭の中で子どもを甘やかしわがままに負けてしまうと子どもは、自分は何でも一番と言うボス的な行動をし、大人の言う事を効かない規則嫌いになる事もあります。
母親の愛情は豊かであるがやってはいけないことを教えていない育て方といえます。このような子どもの言いなりになっていると赤ちゃん返りして甘え、忍耐力のかける生き方となりやすい事を家族は意識したいものです。
子どもが『我慢する・忍耐する』という態度には、お母さんやお父さん、おばあちゃんなどの温かい言葉や注意する助言を理解する事、そして、それらの言葉を素直に受け入れる態度をもっていることが大切になります。
そこには母親の一緒に大きくなろうという愛する心としてはいけないことやしなければならないことをしっかり伝えようという意識を持った子育てをしなければなりません。
子どもが可愛いからと盲愛するのでなく、よくないことは決して言いなりにならないという望ましい態度が大切になります。
そして、我慢する時にお母さんの眼をしっかりと見て、じっと聞くべくことを最後まで聞く力が必要です。このときにあちこちフラフラしないで母親の眼と言葉を大切にし我慢する態度や力も一緒に育ちます。
子どもの言いなりにならない望ましい態度として、母親は簡単なわかる言葉『眼を見て聴いてね』『よそ見しないで聞いてね』『フラフラしないで座ってね』『お兄ちゃんに邪魔しないでね』『はっきりハイと言ってね』『しっかり靴を履いてね』『きちんと○○もってね』と一つ一つを丁寧に教えたいものです。
伝えたから良いという母親の態度でなく、眼を見たり、じっと聞いたときには具体的に共感してほめる行為が大人は必要になります。
例えば、園長として紙芝居を読む時必ず約束をします『静かに聴いてね』『友達の邪魔しないでね』と簡単な事をわかり易く伝えてから紙芝居を読みます。そして、読み終わった時「静かに聴けて園長先生嬉しい。友達に邪魔しないで聞けて有難うね」と伝えています。
子どもたちは認められ・愛されているから全員静かに見て、そして友達に邪魔をしないでじっと聴く態度が育っています。
子どもはとっても可愛いですが自分のなぐさみもの、親のペットにしないことで子どもは将来、辛い時や悲しい事に出会っても「自分で生き抜く力」を身につけていきます。
何故このような子どもの言いなりになるかと言う態度が育つ事も家族で考えたいものです。
例えば、夫婦の間がうまくいっていないと愛情の代償、また、子どもに家族の誰かが厳しすぎるとそこまで怒らなくてもいいのにという補償する態度、同居している姑や小姑と対立する場合、子どもが大きな病気や怪我をした後や虚弱など様々な原因が見られます。
これらの原因は一つではありませんが、様々重なって言いなりとなる育て方が生じる事になります。家庭での育て方が子どもの将来の生き方「成長・発達」に影響を及ぼす事も家族で話し合って見守りたいものです。
園長 飯田 和也