保育の基本118 自閉児rの保育実践から発達支援を探る

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 障がい児保育の点検・評価・改善への手がかりを求めて

              東海学園大学   飯田和也

 

幼稚園で朝登園してから降園するまでの1日の流れをクラス担当者が、具体的な計画と働きを整理したのが次のような記録になりました。担任が次の行動のために支援する時に保育者の都合だけでない資料になっていると思います。

 

自閉児が10人いれば10人の行動が異なります。十人十色と言う言葉があるように全ての自閉児への個性にふさわしい発達支援をする為の参考になれば幸いです。

 

<登園>  自閉児にとって家庭と違った環境に入るには、敏感なために匂い・光・人の動きなど様々反応があります。こだわりが強いとスムーズに園に入れない事があり、担当者は自閉児の個性を把握することが第一となります。

 園庭の遊具が気になって一度触ったり、乗ったり、確めてその場の雰囲気を味わって安心してから靴箱に入れるまで時間がかかります。「Rくんおはよう」と繰り返し言葉をかける事で「おはよう」と言えるようになってきましたが、明るく元気良く、また、遊具で安全なためには保育者がつきっきりで見守ることが重要になります。

 

上靴に変えて部屋へ→部屋へ行く途中に滑り台で遊びだしたり、園庭から靴箱まで来ず遊びだすため、すぐ迎えに行く。(もしくは、バスの先生が部屋まで同行する)

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ここですぐに部屋に入らせようという気持ちが強いと見抜かれてしまいます。保育者がどっしりとおおらかに最後は部屋に入ってくると信じる事が大切になります。温かい雰囲気をもって距離感と方向を重視する事で朝の出会いが始まります。自閉児に寄り添う態度が求められます。

 

<朝の準備>部屋の中で一日の保育を体験するための一人ひとりの準備が自分から○○するという言われないで行動できるための第一歩ともいえます。クラスの約束があり、それを理解し自発的行為ができる事で環境にかかわる力となり、困難を乗り切る能力がつきます。

   かばんの中からお便りばさみを出し、☆ノートをかごへ出す。

                  ☆シールノートを出してシールを貼る。

   お弁当をストーブに掛ける。

   タオル・ジャンパーをフックに掛ける。

   かばんをロッカーへ入れる。

   ~④まで、手を貸す必要はなく自分でこなすことはできるが、声掛けが無いとそれをしようと自らで思い、行動に移せないので、1つ1つ声掛けし見守り、「できたね」とほめている。

   ~④までは毎日の事なのでできるだけ「○○してね」ではなく、「次は何出そうかな?」と    問いかけるようにしている。

 シールは数字が分かっているので貼れるが、1月中でも「2」と2月に貼りたがったり、1日に2に貼ろうとする姿も見られる。はあっているので少し混乱する様子。(毎日ではない)

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 次の行動へ移るためのステップとして、友達の姿・モデルとして人的環境を見せたり、説明したり、また、カードで示したり、様々なチャンスを見つけ、自閉児に相応しい働きかけが求められます。

 基本は、主体的な行動が出来るには一年・二年、三年かかることも多く、卒園までに無限の可能性を引き出すチャンスを見つけようとする保育が求められます。この場面では一つひとつの声かけと、「出来たね」と言う受け入れる援助が大切となりました。

 

又「○してね」でなく「次は何だそうかな」と言う問いかけの重要さが見られました。頭ごなしでなく自閉児の気持ちになろうという姿勢が求められます。

 

<自由遊び>一斉に行動するだけでなく自分の意思でもって環境に自発的にかかわることで身体的・知的・情緒的・社会的・道徳的発達が身につくことになります。ここで個性として遊びに対してこだわりを持っているか、さらには発達をどのようにかかわるかをチェックすることで支援の助けになります。

 

   ・すべり台か、ベンチに寝そべったり、園庭で木をゆらしたり、タイヤに乗ったり、走って遊ぶ、お気に入りの絵本をみる。

   ・2学期、職員室の先生たちのくるくる回る椅子で遊んだり、椅子を並べて寝そべったり、パソコン、CDデッキをかまおうとしたり、、、職員室に通うようになってしまったため「職員室は遊ぶ部屋ではありません」と伝え「滑り台はマル○」「ホールはブッブー×」「滑り台はマル○」「職員室はブッブー×」と○のことは笑顔で×の事は渋い表情でわかりやすくジェスチャーとともに表情で根気に伝え、すべり台だけで遊んでいる時に沢山褒めてあげることで3学期に入り職員室に遊びに行く姿がほとんどなくなってきた。

 

   また、担任が「すべり台は?」と聞くと「マル○」 「職員室は?」「ブッブー×」と答えてくれてやりとりになってきた。

  ドッチ→ルールを理解することは難しいが、皆がボールを使って遊んでいる事は気になり近くで走り回って雰囲気を楽しみ、味わっているようにみられる。3回戦あるうちの1回戦は担任と手を繋ぎ同じようにコートに入り、参加するようにしている。担任がボールを拾いRくんに渡すと 線の所で投げるという事は意識して出来ないが、喜んで投げる。

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複数の先生がかかわるときに共通のサインを出す事で自閉児が理解しやすい場合となります。自閉児に対して注意の仕方・ほめ方・受け入れ方がばらばらにならない配慮も必要といえます。

しかし、全員が発達の何を大切にするか、困難を乗り切る力・情緒の安定のためには甘えをどこまで受け入れるか、それには家庭で今、何に困っているか、甘える必要があるのかといった連携も重要となり、保育者が勝手に決め付けない日常からのサインのアンテナを張る事といえます。

ほめるときは「○」ダメな時は「×」といった自閉児に理解しやすいサインを決めることで出来た喜び、そして次の行動に対する意欲に結びつきました。

 

<トイレ>生活習慣として自立する中で最もサインが出やすい一つと言えます。母親と協力するためには家庭でのサインを聞きとり、合わせることとなります。

    その中でトイレが出来た喜びを味あわせることになります。トイレのトレーニングを通して膀胱に尿がいっぱいたまる事で自分から○○すると言う体験に結びつく事ができます。トイレットトレーニングを通して自立の第一歩となる教育の始まりになります。

 

   ・部屋から皆で出ていき、トイレに行っても途中ですべり台に乗ってしまったり、寝そべってしまうため同行する。おしっこを嫌がっていた時期もあったが今はスムーズにできる。時々、嫌がったり、行かずに済ませようとするので、あれ?という表情で見ると、担任をジーっと見ながらおしっこをする。おしっこ出来た時の             Rくんマルー」おおげさな表情でほめられる事を待っている。スリッパは自分で出したり、しまったりできる。これは声掛けをしなくても必ず自分で出来る。

 

  手洗い・うがい・消毒→1人だと水道を通り過ぎて走っていってしまったり、お水が冷たいと水をさわる程度でやめようとしてしまうので、一緒について「石鹸でゴシゴシ」と言いながら手のひら、甲、指の間、爪を洗う姿を見せ、一緒に行う。一緒だと丁寧に出来る。うがいも1回して終わろうとするので もう1回と言うと、2回出来る。

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  本児への誘い方として「トイレ行こうか」と言うだけでなく手をつないで「たっかたっか」とリズムをつけて走る事をした。それもスキップでなくギャロップのリズムを取り入れた事でスムーズにトイレまで行く事ができていた。

 

   これは能力・感性に合わせる保育といえます。また、保育者が一緒に行動する時に動きをあわせる努力により心を開く事が出来ました。よく観察し本児が意欲を持つ事にあわせようと共感することが多く見られた結果といえました。

 

<朝の会>朝登園してクラスで集まり、朝の歌や出席を取ったり、手遊びや歌を通して一日の始まりを意識する場となります。この時間で保育者の話をじっと聴く態度が養われます。また、周囲にいる子どもたちの人的環境のモデルを見ることで自分がまねする力をもっていること、又、まねしたくなる主体的能力を気づく場が与えられる事になります。

 

  皆が椅子を出して座っている姿を見て、自分から椅子をだして座れる事もある。座らず、部屋の中を歩いて動いている時は、「Rくん、お椅子1番出してね」と言うと自分で出して座れる。

  (椅子置き場は①~⑤と分かりやすいよう、数字で表している。Rくんは①)

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 自閉児の興味・関心があること、例えば数字にこだわりがあればそれにあわせる配慮で自分の行動がしたくなります。こだわりを取り入れる事でスムーズに動く事も理解できます。

 

<製作>製作をとおして身体的発達の手先、そして友だちと一緒に行動することで社会的発達としてルールを身につけることになります。また、様々な事象を観察することで知的発達をチェックしたり、保障することに結びつきます。

 

   しかし、主体的な物的環境として教材の重要さが問われ発達にふさわしい選択が必要となります。

 

    今日使う道具を皆に伝え黒板にも書く。→ 自分で道具を取りにいく様子が無いため、声を掛け一緒にお道具箱を見てみる。(周りの子が席を立ち、道具を取りに行くので、一緒にロッカーまで行ける時もあるが、お道具箱を持ってウロウロするのみ)一気に言うと全部出してしまうので、同時には言わず、「のり」出せたら「はさみ」、出せたら「クレヨン」と1つずつ出来るよう援助する。

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「子どもの能力に合わせるには、一度に多くの事を要求しない・一つでいい」が大原則となります。」

 

  のり → ベラを使おうとお道具箱から出そうとするが、いらない事を伝え、できるだけ手でやらせる。ベラなしだとのりを指で付けて1回ぬる程度なので「♪ぬーりぬり、ぬーりぬり♪」とリズムに乗って先生も一緒にやることで随分のりを使えるようになってきた。

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 のりを使用するに当たり、リズムを合わせて「ぬーりぬり・ぬーりぬり」といった意欲が持てるような発達支援の雰囲気が本児の能力に相応しかったと思われました。

 「物的環境にかかわりたくなる言葉かけがリズム的であったり、身体的に動きたくなる行動が求められます」これらは顔の表情や手先の動きを認め・受け入れる能力が保育者として重要になります。

 

  はさみ → 線の上を切る事は随分上達してきた。のり同様「♪チョキチョキ、チョキチョキ、線の上♪」と歌ってあげると、リズムに合わせて線の上を意識して切れる。はさみを持ってない手で紙を持つという事をしない事の方が多いので、手を貸し過ぎず、自分で紙をもつよう、3学期ははさみで切る機会を増やした。その結果、曲線を1人で切れるようになった。

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    はさみが使えた喜び はさみを切らせるのでなくはさみが使えて紙が切れたという感覚を味合わせる事でもっとはさみを使いたいとなります。

    

    そのときにリズムが「チョキチョキチョキチョキ線の上」という自閉児の耳になることが重要となりました。又身体的発達の手先の能力を観察する事も大切になります。半年前に比べてどのように発達しているかと言う点検・評価が重要になり環境の再構成に結びつきます。

    

    道具に対してどのようにかかわっているかを観察する事で発達支援の言葉が異なります。

 

鉛筆・マジック → 鉛筆やマジックを上の方で持つので、下の方で持って少しでも力が入るよう意識して声掛けしている。字の読み書きはできる。小さく書く事は、まだ難しいが、だいぶマスを意識して書けるようになった。

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 自閉児の手になる事が大切といえます。書けた喜びを味あわせるには持つ位置を配慮する事、自閉児の手の大きさ、手先の力の能力に合わせる事が重要といえます。

 

  それによって教材の与え方が幅ひろくなります。また、書きたくなる「問いかけ」として日常の体験している事を母親と話し合い、行動を受け入れる力が求められます。

 

  絵 → 思い出画では、ソリ滑りのように楽しかった事は思い出せるよう、こちらが声掛けした。クレヨンで「おめめ」とか「雪」というと描く。家での出来事は私も分からないので、誘導しづらい。そうすると絵も描きづらい

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   絵を描くとき、「好きなの描いて」でなく、イメージを持つための具体的な言葉かけといえます。家庭との連携や過去の体験により導入が異なってきます。受け入れる温かい雰囲気を構成する事も重要になります。

 

  折り紙 → 1対18という集団での進め方は(前に立つ先生の説明を聞いて取り組む)視点が合わない事が多い。隣りで補助の先生の「お山で、折ろうか」「アイロン、アイロン」という声掛けで一緒にやる。説明と説明の間、待つ時に今までは待ち切れず、そこで嫌になりひっくり返ったり、、、ということがあり、皆を待たずにRくんのペースで進めれるよう補助の先生とRくんで進んでいくようにすると、最後までできるようになる。

 

  今は、少し待てるようになり待つ間に,折った三角をおでこにあてて「おばけ~」等イメージの共有を担任と他の子がしていると、一緒に楽しむ姿がみられるようになり、成長を感じる。説明を聞いて折る事は難しいので、1対1で折る姿を見せながら丁寧に「折れたね」と声掛けして進めていけるようにしている。

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   全員と一緒のように示し・説明するだけでなく一対一の信頼感を持った相手を確立する事、そして、具体的な言葉かけをする事で意欲になる場合を大切にする。

    一人ひとりの子どもや保育者の温かい愛のある雰囲気により部屋の中で落ち着いた行動ができるようになりました。

 

<体操教室>体操を教えるプロの言葉、説明、雰囲気を味わうことで自分の身体的能力や社会的能力を伸ばす事に結びつきます。

   ホールで行う時、3学期に入り準備体操も皆と一緒に、先生の姿を見ながら自らやれることがでてきた。縄跳びも「まわしてピョン」(前跳び)と声を掛けると、両足一緒に跳ぶ事は難しいが喜んで取り組む。

 

   園庭での体操は、遊具などで遊びたくなったり、走り回りたくて(刺激が多い)体操を取り組むという状況にならない。(補助必要)

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   体操する時の刺激として大きなかけ声・人数の多さ、ホールでの雰囲気が気にいるかどうか見極める事も大切になります。何に興奮するか場所・光、匂い、人の動きに対して敏感なことを受け止めるアンテナの大切さが求められる場面といえます。

 

<給食>給食を通してこだわりを見つけ、なくすことに結びつきます。しかし、家庭との連携が最も大切な一つとなっています。

  「お弁当を袋から出す」「お茶を汲む」は自分で出来るが、声を掛けないと自らやろうとする姿はないので、声を掛け、準備のきっかけを作る

    毎日の事なので、動き回りたい時は隣りで指示しながらきっかけだけ作り、あとはあえて遠くから見守り、「1人で出来たね」と褒めてあげれるようにしている。

    自ら食べたいものはパクパク食べる。(フォーク、スプーン使用)苦手なシーフード系も「食べたらデザート食べれるよ」「食べたらバスに乗って帰ります」などお楽しみがあることで毎日完食。根気に駆け引きする事が大切。

       パンも大好きなので、最初に半分与え、嫌いな物が有るときは、残りのパンを見せ、「エビを食べたらパンね」と伝えるようにする。(伝える+見せると理解し易い)←これも他の先生だと食べない。担任が交替し声をかけに行くと食べる。食べれた時には、「すごーい。大マル」とジェスチャーをつけて褒める。

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最初に「チューするだけでいいよ」と言う導入に始まり「食べられた喜びを見つけ、食べられたからいいというそのままでなく共感をする事で食べられて良かったね、」このような発達支援をする事で食べたいという意欲に結びつきます。

 

 それも相手にわかりやすいためには大げさに保育者が顔の表情・手先の表現、言葉での豊かな言い方が必要になります。表現する事で自分は認められたという感覚になります。

  こぶ結び → お弁当をこぶ結びする事は見守り、少し手助けしないとできなかったのが、3学期に入り1人でできるようになった。大きな成長。縄跳びは1人で結べないので手助けをし、口でも伝えながら行う。

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保育は見守りが重要といえます。しかし、自分で出来たという感覚になっている時を見つける眼が保育のプロです。見つけたときに「じっと温かい優しい眼差しで見守る」ことで自分は愛されているという感覚になり、やれたという充実感、そこでもっとやりたいという意欲を味わい生きる力に結びつく自閉児になります。

 

<お帰り>明日幼稚園にきたくなる雰囲気が求められます。一日の保育が終わり、疲れている中で受け入れられている感覚を味あわせることも大切な保育の一つと言えます。

  ・名まえを呼ばれると手紙を貰いに来ることはできる。(先生「どうぞ」R「どうぞ」先生「ありがとは?」R「ありがとう」)

  ・”手紙をファイルに挟んでかばんに入れて、かばんをチャックするという事”は出来ない日の方が多く、座って待っている日の方が多いので、担任か隣りに座る友達が、声を掛け見守る。(声を掛ければできるが、途中で気が散ってやめてしまう事もあるので、最後まで見守る必要がある。)

 

  ・最後、椅子をかたずけてバスに乗る事は理解できているので指示なくスムーズにできる。

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  最後まで自分は見守られている・受け入れられているという自閉児の感覚に届くような一日の別れになっています。

 

       自閉児の能力を信じる事で保育者はゆとりを持った対応が出来てきます。入園の頃を思い出す事で発達したことを見つける事ができてきます。

 

※3学期に入り、担任の指示、声掛けがとてもスムーズに入る。(理解し行動する)

※「○○したら~が出来る」という楽しみな事と駆け引きをすると、嫌なことも進んで出来るようになってきた。

※担任が遠くから「Rーくーん」と呼んでもサッと戻ってきたり、振り返ったりするようになる。大きな成長。ただ、担任の指示が入り易くなった分、補助の先生や他の先生の指示が入りにくく、できることもふざけてやろうとせず、遊びだしてしまうようになっている。

 

       補助の先生と連携し、ふざけて出来ない時には担任が補助に入り、補助の先生がクラスの皆を見るという風にかえている。そうするとR君も自分の力で出来て「マル。できたねー」と褒められ、できたという達成感・満足感が味わえている。

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本児の対人認知が深まっていることにより複数担当者の間での共通の保育観を持つ事が重要といえます。

 

<最近気になる事・三月>

  ・やりたいことがあっても今は、その時間ではなく、「○○が終わったらね」と”駄目”になった時、大きい声で叫び、大泣きでパニックになる。今まではパニックになると、自分で床に頭を打ち付けたり、自分で頭にげんこつを連打したり、物を投げて訴えたり、発散していたが、最近は、唾をペッと吐いたり、床がべったりと濡れてしまうくらい唾をたらしたり、両手を口の中に入れる姿が見られる。 

       ↪病院の先生にお伝えしたら、「言葉で伝えるより、この行動の方が早く伝わるから」との事でした。自分で床を拭くよう指示し、一緒に拭き、「どうしたの?」と問いかけ言葉で伝えれるよう導くようにしている。

 

  ・歯医者に行く回数が増えた頃から、”お迎え=歯医者に行くこと”と思ってしまい、お迎えが嫌で「一番バス??」と何度も確認する。バスに乗れるためなら嫌なことも頑張れるくらい、最近のRくんにとってはプラスに働いている。やりとりできるのでプラスになる事の方が多いが、Rくんにとって「バスに乗りたい」ということばかりが頭にあり、活動中も「バス、バス、バス」と先生のところに確認に来て、丁寧に受け答えはしていても、気になる度に活動を落ち着いて取り組めない部分にもなっている。

 

     「給食→お帰り→バス→おうち」「給食→お帰り→車→おうち」というカードを準備し、黒板に貼っておき、みせても、「バスに乗りたい」という欲求が強く、そのカードも自分で変えようとしたり、違う先生や友だちに「バス、バス、バス」と言い「そうだよ」と言ってもらえることを期待している。まだ、自我が強い時期である。

  ★“お母さん”に対しての思い(こだわり)が1番強く、お母さんとの別れ際が、毎回大泣きで大パニックになる。1段とその姿が強くなっている。

 

  ・初めての場所では、心配も大きいため、いつも、写真でカードを作り、見通しが付くようにしてきた。又、合宿の場所やお別れ遠足(名古屋科学館)にも、前もって1度行ってもらうようにお願いしていた。

 

        特にトイレの手を乾かす機械の音が怖くて、トイレに入れなかったり、汚いトイレ・慣れないトイレだと入りたがらず大泣きするとの事。名古屋科学館に行く時には、科学館のトイレの写真・洗面台の写真を撮ってきて、「トイレ・洗面台・Rくんのタオル」がセットになった写真を見せ、「先生と一緒にトイレに行って、手を洗ったらタオルで手を拭きます」と何度も伝え、障がい者用トイレに2人で入ったため、スムーズにトイレでおしっこができ、お母さんに報告するとビックリされていた。

   

  視覚から理解できるように、絵や写真を使ったカード・行事の見通しがつく手作りパンフレットのような物等、工夫するように取り組んできました。

 

   又、それだけに頼らず、”友達の姿を見せる事”も大切にしてきました。根気に向き合い、“自分から“という意欲を引き出せるよう、好きな事・物との駆け引きする事が大切。(これだけがんばったら、○○ができる!という楽しみを持たせる事)カード等は資料として保存しているので、担任になられる先生が、今度幼稚園に来て下さるとお聞きしましたので、その時にお見せし、もう少し詳しくRくんの事をお伝えできたら・・・と思っています。 

 

  最近の状況を支援学校の一年生の担当者に伝えるためにまとめた文章です。参考にしていただけれは゛幸いです。

 

このような文章と写真・本児の書いた「○の○せんせい・ありがとう」と直筆の手紙を支援学校の担任・補助の教員に示したり、説明を四月に入り交流を開催しました。

 

    四月の交流では、支援学校の担任へ、こんなにも愛しています、どうかこれからもよろしくお願いしますという涙で引継ぎが終わりました。心からRクンを愛している担任の熱い思いが伝わってきました。この出会いを感謝したいと少しまとめました。多くの障がい児担当者の参考になる事を願っています。

                           

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