保育の基本 150 日本の保育を変える三カ条

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五月は楽しい出会いがいっぱい

五月七日は春の親子遠足で中津川公園でゲームをしたり、自己紹介でいいところを話し合ったり、フォークダンスをしたりと楽しみました。

五月八日は花まつりでお花が笑った等を舞台で歌いお釈迦様の誕生を祝う会に参加しました。

5/12は年長組の参観日、5/19は年中組の参観日、5/22は年少組の参観日があります。参観日にはお母さんは「多くのこと要求しない・ひとつでいいよ・失敗してもいいよ・可愛いと思って見つめてあげると笑顔になりますよ」このように温かい愛の満ち溢れた雰囲気の中で子どもたちは過ごすことで安定し自分を表現します。
誠和幼稚園で困難を乗り切る力と自分で○○する力を一年間で身につけて欲しいと願っています。
様々な出会いを通して成長・発達をお母さんやお父さんと一緒に見守りたいですね。

保育の基本 150 日本の保育を変える三カ条

 

国際子ども研究所 飯田和也

 

1 こども園・保育園の教育は教え込むものでなく、ねらいにある園修了までに生きる力の基礎となる心情・意欲・態度を身につけさせること。

   保育園は教育をしていないという知識のない先生は「問題な教育者です」

現在、保育の場では今日だけで上手にできなくていいという発達の方向性を身につけた教育をしています。しかし、小学校は今日上手に出来るようにする到達目標です。

そして、多くの保育園の保育者は到達目標で立案しすぐに達成することが教育と考えて技術を教え込もう・上手にやらせる事が教育と勘違いしています。

保育の中で、子どもたちに小学校の教科のように時間割を作り一斉に教え込むことが教育と思い込んでいる先生は問題です。

例えば、文字に関しては、自分の名前から物を大切にする態度が始まりで名前を読む・書くことでひらがなやカタカナとのかかわり五領域『環境』と友達や先生と手紙ごっこでかかわりたいという五領域「人間関係」との結びつきで文字を卒園までに獲得する教育が成り立っているという考えをしたいものです。

しかし、ひらがなの筆順にこだわる人もいます。今日上手にさせたいという小学校の教え込む教育では当然であるが、子どもの発達を考えると保育園・幼稚園の時期は方向知覚が確立されていないために正しく形や向きができていない事を理解し個人差を捉えた保育を工夫する教育になります。

正しく筆順は伝える事ですが全員が完全に身につけることが出来ない個人差の時期と言うことを配慮すれば卒園までに筆順を獲得と言う「ねらい」の考えが基本になります。

この保育園時期の発達を大事にし、発達の個人差を理解するならば全員に完全に獲得させる筆順にこだわる文字の教育は成り立ちません。出来る子にとっては自信ですが出来ない子には劣等感を与える事に結びつきます。

筆順は一斉でなく一人ひとりの能力に合せ自由な時間の保育場面で「理解できる言葉で優しく、そして正しかった時に具体的にほめて共感したいものです。」

小学校の一斉授業の形態だけでなく総合的な遊びとして、文字の獲得にしても健康「手先の発達」、環境「文字にかかわる」と人間関係「読んでくれる友達」、言葉「文字・言葉を楽しむ」、表現「ひらがなや絵で自分なりに表現する」等の発達を偏らないで幅ひろく捉えた五領域として園修了までに身につけさせる教育として理解することです。

保育園で教育をしていないという教育者は遊びを通して発達を身につける教育と言うことを理解することです。

このように保育の現場の知識のない教育者に理解する場と時を園長・主任は伝える責任と義務があります。

 

2 養護に包まれて教育があることを正しく理解すること、養護は五領域「健康」ではない。

 

保育の現場を本当に理解していない教育者が養護を五領域の健康と混在して説明していることを見直すことです。

朝,登園してきたそのままの姿で帰る時親に渡すのが保育です。しかし、一日なんとなく預かって終われば保育園はそれで良いと言う考えではありません。

養護と教育を会得した保育をするのがプロです。

例えば、地震の後の津波で何日も家に帰れないときに命を守り、情緒の安定、生理的欲求、保健衛生的環境を大人がする養護です。発達を身につける教育の五領域健康と明らかに違う事を理解することです。

生活習慣を身につけて自分で命を守ったり、危険な事を察知し困難を乗り切る力を培う事、病気にならないように汗が出たら拭くことや暑さや寒さに対して自分で調節することは五領域「健康」になります。

 養護に包まれてとか養護の土台の上に乗っかって生き抜く力を身につける発達を大切にする教育です。

 ここでは「愛に満ち溢れた雰囲気」と言う考えを正しく理解することが保育者に認められ、乳幼児の命を守る重要な保育の基本に結びつきます。

「ここで失敗してもいいよ・多くのことを望んでいませんよ・一つでいいよ」と言う保育者の心がけで乳幼児を見守る事と同時に一人ひとりに「可愛いな」と思って見つめる態度が保育者に求められます。

 可愛いと思うことで保育者には笑顔があふれて乳幼児は愛されていると感じて笑顔に結びつきます。保育室が笑顔に満ち溢れる事で温かい雰囲気となり、自分から○○してもいいと言う主体的な行動になります。

 指導計画の援助欄には「笑顔で○○する」「解る言葉で・・を説明する」「約束は・・優しくする」「・・具体的に共感する」など愛にあふれた雰囲気を出すために立案し、実践が求められます。

 このように記入してあることで発達支援の点検・評価が出来ます。それにより一人ひとりの命をまもり、情緒の安定を図り、発達を愛する教育に改善が結びつき日本の保育が変わります。

 

3 生きる喜びを味あわせ、生きる力を身につけるには「子どもが主語」です。

 

保育の環境は保育者の都合で構成するものではありません。物的環境と人的環境だけでなく愛されている・認められている・受け入れられていると感じる愛のある雰囲気で、発達=「困難を対処する力と主体性」を身につける教育が望まれます。

温かい愛のあるとは、笑顔にみちあふれていること、つらい時・悲しいこと・悔しい時に具体的に共感をしてくれる友達と先生がいることで情緒が安定します。

困難を乗り切る力を身につけるには愛されていると感じる場が与えられる子どもが主体的になります。保育の方針と方法が全保育者の共通の考えとなっていることと言えます。環境構成は物的・人的・雰囲気により乳幼児が主体的となるように配慮します。

主語は子どもです。保育者や経営者が主語ではありません。「物的環境は子どもが主語ですか。」と問われたら正しく答える実践をしているか点検・評価したいものです。

人的環境は保育者が自分の都合の願い・思いで考え立案していませんか。子どもの能力に適していない教材や集団のために子どもが行動しないとがんばらせ・させなければならない・上手にしないのは子どもができないからといった保育=保育者が主語になっていませんか。

子どもが「見て」とサインを出しても気が利かない・天気が変わってもきめた立案しかできなく柔軟性がない・ごみが落ちていても気付かない、子どもの発達を身につけることを大事に出来ないことは問題な保育者といえます。

保育者の忙しい気持と次に何かをしていないと一日が終わらない焦り等ゆとりがないと保育の環境で清潔で安全、そして乳幼児がかかわりたくなる自発的な行動を保障することが出来ないことになります。

ねらい・内容にふさわしい環境構成を立案し実践で、ねらいの中にある心情・意欲・態度の意欲を中心にしている保育の見直しが求められます。

乳幼児の「心情」言葉に言い表す事ができない悲しさ・悔しさ・辛さを受け止めるアンテナを張った実践が求められていますが、保育者が主語であると全く乳幼児の心を把握できていない場合があります。

乳幼児が●●しゃべれた、声を聴いて。□□見つけた、見て。△△触った、面白い。◎◎食べた、からい・苦い・甘い・冷たい・熱い。○○出来た、見て

といった、乳幼児から言葉に言い表す事が出来ない心情を受け止める教育を保育の中で取り入れ発達を身につけることがこれから重要と言えます。

 このねらいのなかで意欲と態度に偏った教育だけでなく「心情」を見つける眼と乳幼児に具体的に困難を乗り越える能力を気づかせ共感する実践を身につけること、さらにそれを保護者に伝える事が日本の保育を変える一つと言えます。

 親がわが子の困難を乗り切る自我能力と主体性があることを気づくことで子育てに自信をもつことに結びつきます。乳幼児が主語であることは親から能力があることを信じられることで情緒が安定し、ここで失敗してもいいと言う意欲が湧き生き抜く力を身につけていく事になり、将来の社会「日本や世界」に役立つ力となります。

 

 これらの三か条を参考にしていただき保育園・幼稚園の教育は「乳幼児の発達を卒園までに身につける」ことが保育の奥の深さです。

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