先日、子育てサロンのお母さん方に(幼稚園では散歩のとき大きい子は車の通る方を小さい子の手をつないで歩きます。お母さんはわが子の命を守る為に並んで歩いて下さい)と伝えて散歩しました。
このように最初の出会いのとき丁寧に方針やルールを伝えることで全員が「命を守るため」大切なことを共有する体験が出来ます。
ここで、もし、ルールを言わないで散歩をさせたら親子が手をつながないで散歩をします。すると、子どもは車の方に向かって動いたり、自分の行きたい方向に行きます。
そこでは、車にぶつかりそうになったり、溝に落ちそうになり「危ない・だめ」と怒鳴ったりします。このように最初に約束をしていないと、どこに行っても・いつも「だめ・ダメ・だめ・・」という状況となります。
子どもにとっては理解できないまま行動して「怒鳴られて・怒られている」という感覚になります。
また、子どもを園に迎えにきたときに、母親が子どもに向かって「遊んでいて、いいよ。」と伝えた後、仲間の母親たちとおしゃべりが始まりました。話し終わった後「もう帰るよ」すると、子どもはまだ遊び足りなくて続けて遊んでいる場合があります。
しばらくは我慢できているが「いつまであそんでいるの、もう」と母親の都合で怒ってしまう態度となってしまいました。
このような場合には、例えば、母親として自分の行動を把握し、ここまでは○○は許すといったルールを作って、分かる言葉で説明していなければなりません。
最初に「○○のお母さんと話しが終わるまで遊んでいていいよ」と約束をして「もうじき話しがおわるので帰る支度してね」とサインをだしたいものです。相手「子どもでも夫婦でも家族でも」約束をする時は相手に通じる言葉をかけたいものです。
幼稚園では子どもたちが先生にボールを借りに来る事があります。そこで、子どもが「ボールください」と言う子には「幼稚園のボールはあげられないよ、貸すことは出来るが」と言うと(ボール貸して下さい)という言葉が出ると(ハイ・どうぞ)と言う状況になります。
このように間違った言葉の使い方には、正しく相手に伝えると言うことを家族なら全員が共通に伝えることで知的発達・社会的発達が保障されます。一人の先生だけでなく全員の教職員が共通な考えを持って、言葉のやり取りについて正しい使い方を身につける教育「しつけ」が望まれます。
このようなときにも先生や家族が物を大切にし、言葉を大事にするためのルールを話し合うことでバラバラなふれあいは慎みたいものです。
ほめ方や叱り方にしても、最初から同じ態度が求められます。例えば、子どもが石鹸で手を洗った時には先生が(きれいになったね、)と言うだけでなく「○○ちゃん、指と指の間まできれいになったね」と具体的に伝える事を大事にしたいものです。
子どもが具体的に出来たという満足感・自分で工夫した態度を受け入れ、認める場になります。このように家族や先生から愛されることで我慢したり、考える態度が身につく触れ合いになります。
多くの幼稚園・保育園では、子どもの言葉のやり取り、そして歩く時のルール、おもちゃを片付ける時の約束、絵が描けたり、作品が出来た時を見つける眼を持って共感する事を大切にした教育をしています。
家庭でも、手伝いをさせる時や新しい事をすることは、必ず最初にルール・方針を相手に伝えてほしいと思います。同居している孫がおじいちゃんやおばあちゃんと寝たいと言ってきたときにルールを伝えていますか。
(さみしくなって泣いたら○○、寝る時に二つだけ絵本読んでから一緒に寝ようね)。夫が妻に手伝いを要求する時、具体的に○○まで手伝ってとか、こうやって○○を完成してとモデルを示し・説明していますか、自分と同じようにやってくれると勝手に考えて手伝いを頼んでいませんか。
同じように出来ると思い込んでいると夫婦喧嘩・舅や姑とのいざこざになります。
必ず、相手の立場を考えて最初にルールや方針を伝える時、モデルを示し、さらには判るように具体的に説明し、出来ない時は一緒に悔しがり、出来た時に大げさにでも共感することで子ども・夫婦・嫁姑の「自分から○○する心」に火をつける触れ合いとなります。
お互いが笑顔で感謝しあう生活が出来るには最初が大切と言えます。
園長 飯田 和也