子どもでも弱音を吐きたい時があることを理解していますか、子どもたちの中で友達のことや勉強のこと、体のことで悩んでいる小学生、中学生がいっぱいいます。
自分の苦しみ、悲しみ、いやなことを親や先生に相談できなく弱音を吐きたい、甘えたい時があります。また、辛い時を乗り切った時・工夫して出来たときの喜び・新しいものを見つけた時の嬉しさを親や先生に伝えるチャンスを逃し、言えない子どもの気持を理解していますか。
親や先生に明るく、元気に言える子や伝えることがうまく出来ない子がいます。友達関係がうまくいかないためにいじめられたり、親とかかわることがうまくいかなかったりして自分ひとりだけで解決しようとするが、伝えることが下手で落ち込んでしまう子もいます。相手に理解して伝える方法の表現を身につけていない場合もあります。
小さい時に『はっきりと相手にわかるように言いなさい』『頑張れば誰でもできるようになるから頑張らなければだめ』『こんな小さなことで悩んでいてどうするの』『弟に負けていて情けないでしょう』『貴方は○○より出来るはず』といった触れ合いが続いていると親に言いたくても言えない状況になります。
このような生き方にさせてしまった親や先生の態度は、子どもだから理解している、自分が一番知っている、このように励ますことで『困難なこと・辛い子・悲しい時を乗り切る子』と決め付けていることもあります。
頭ごなしに自分は出来る子・能力がある子と決め付けられたとき、うまくできている時、乗り切り方が少しわかっているときは「頑張れ」と言われても大丈夫と思えます。
しかし「子どもがそうでないときの本当に困って何をして良いか、どうしたら良いか、悲しい気持ち、悔しい時、辛いこと」を言いづらいこと、伝えづらい時があります。
そのような状態の時に頭ごなしに簡単に言うのでなく聞くのでなく『少し間をおいて、じっくりと聴いてくれるお父さん・お母さん・先生に出会いたい』と思うのが本来の子どもの心といえます。
この言葉に言い表すことが出来ない喜怒哀楽「心情」を理解してくれる人一人いたら生きる喜びとなります。
悲しい時に共に泣いてくれるお父さんいて欲しい、そして泣いてくれるお父さん一人いれば幸せ。苦しい時に一緒に苦しんでくれるお母さん一人いれば幸せ、死にたいほど悔しい時一緒に悔しんでくれる先生一人いれば生きていたい、辛い時に共に泣いてくれる友だち一人いれば生きる喜びを味わうことが出来ます。
しかし、休みの時公園に連れて行ってくれるがお父さんは車の中で寝ている、釣りに連れて行ってくれるが自分だけ釣っている、話したくても自分の事ばかりしていて聴こうとしない態度。
お母さんは買い物に連れて行ってくれるが[こっちの方が良いでしょう]と決めつけて自分の事ばかりでじっくりと聴いてくれない態度。
忙しい姿を見せているために近寄りがたい先生。このような話したくなる雰囲気がないために辛い時・悲しい事・悔しい『言葉で言い表すことが出来ない喜怒哀楽』などを話したいが聴いてもらえないために黙ってしまう。
たまの休み、長い休みの時じっくりと時間を割いて遊んでお父さん。一緒にたまには風呂に入ってお父さん。ボール投げ教えてお父さん。幼稚園か保育園の時どんな遊びしてたか教えて。喧嘩した時どうしたお父さん。お母さん一緒にカレー造ってね、クッキー作って食べようね。時にはぐっと抱いて。たまには一緒に寝てね。
お父さんやお母さんに愛されているから人の話をじっくり聴く態度が育ち、自分だけ見ててという言葉やねたむ態度を示さなくても次は自分を愛してくれるという気持ちが出来、安心して生活できる生き方を身につけます。
小さい時は肌と肌の触れ合い、大きくなるにつれて言葉のキャッチボールで心の交流をしたいものです。
園長 飯田 和也