共に育つ愛の保育 No 479 誠和幼稚園 誠和あい保育園 令和6年3月
非認知能力とは、チャレンジ・我慢して最後までやり遂げる力、思いやり、自尊心といった知能テストでは測ることができない能力です。
この力は幼児期に身につきます。大人になっても我慢できなくて現実から逃げる人は幼児期に我慢して最後までやり遂げる力が身につかなかった人と言えそうです。
飯田和也
幼児期になぜ、我慢して最後までやり遂げさせているか、それは20年・30年先困難を乗り切る力をつけさせるためです。家庭でも将来のため我慢させて最後までやり遂げる力を見つけ自信を持たせてあげて欲しいものです。
この非認知能力は大人になってからも影響しているといわれています。人間関係や仕事で失敗したとき、我慢できない、すぐ怒る、落ち込んでしまう生き方は、自己調整力・コントロールする力が低いためといわれています。
この我慢する力は幼児期の育て方・しつけ・幼児教育によって身につきます。しかし、幼児教育や育て方が我慢させていないと一生我慢できない生き方に影響します。
幼児期に、こどもが欲しがるものすべてものを与える、言えないからと言葉を先に言ってしまう、寒ければあたたかくして服を多く着せてしまうといった我慢しないで過保護や過干渉な先回りの育て方では、最後までやり遂げる力は育つことはできません。
幼児期に我慢して最後までやり遂げる体験があるかないか左右されます。こどもたちは一年間で一番我慢して最後までやり遂げる卒園式の練習をしている園が多くあります。
日本中の多くの園では短い時間が限度と答えていますが、園によっては静かにして友達の修了証書を堂々たる態度で受け取る姿をじっと見ています。また、お別れの言葉を静かに聞いています。ホールに流れている子どもが子どもを褒める温かい雰囲気を我慢して味わっています。
この一番つらい時、苦しい場、我慢している体験が大人になってから効果がでます。
大人になって仕事でどうしてこんなことをしなければならない、ナゼ家族のために頑張らないといけないのか、お金で困っている、子育てがつらいと粘ることができない態度はこの非認知能力のチャレンジ、忍耐、自尊心が低いためです。大人になって様々な多くの知能が高く技術があるのに生活の中では、困難を乗り切る力が身についていない人のことです。
大人になって、家庭でつらくなった時に、困難を受け止め、やる気をなくして落ち込むよりも、「どうしたら困難を切り開くことができるか」「乗り越えるためにどうしたらいいか」といった前向きに考える力は、小さい時にじっと我慢し周囲の声を聴いたり、友達の行動を静かに見たり、失敗して乗り越えている場面をじっと考えたり、乗り越える姿を近くで我慢して体験することで身に付きます。
この知能テストで測ることができない能力は、失敗しても認められ、忍耐しているところを自覚させくれた温かい愛のある雰囲気、友達と手をつなぎぬくもりを味わい、思いやりを体験した幼児期、自信を持たせてくれた友達、お母さんやお父さん、そして先生の優しく、嫌な時に代弁してくれる言葉や育て方によって身につきます。
我慢させることに力を入れるよりも我慢している姿を見つけ、我慢する力があることを具体的に共感してほめる親でいたいものです。その時に大きくなってから我慢でき、自分が意欲をもつて生きる力、人や物を大切にする能力ができるようになるということ、特に、困難を乗り切る自我能力に結び付くことを優しく・温かく・わかる言葉で伝えたいものです。
温かい愛のある宝物を幼児期に見つけ、身に付けさせてください。