共に育つ愛の保育 No478 「頑張れ・頑張れ、頑張れは誰でも逆上がりはできる)という精神論はやめて

NO IMAGE

共に育つ愛の保育 No478 「頑張れ・頑張れ、頑張れは誰でも逆上がりはできる)という精神論はやめて

共に育つ愛の保育 No 478 誠和幼稚園・誠和あい保育園 令和6年2月14日

「頑張れ・頑張れ、頑張ればだれでも逆上がりはできる」という精神論はやめて。

飯田 和也

 

四歳・五歳のこどもの逆上がりができるようになった友達をみて、同じように出来るようにさせたいと親は「頑張ればできるようになるから」という言い方で近くの公園で逆上がりを頑張らせていました。

しかし、逆上がりができる子とできない子には個人差がありなかなかできるようになりませんでした。

子どもが「ロープ・紐があるとできるよ」という言葉を家庭でも親に話すが、体操の参観日までは「ロープ・紐」とは何か親は理解できませんでした。

そして、体操の参観日にこどもが逆上がりの指導を受けている場面を見て、「ロープ」とは何か理解できなかったお母さんやお父さんは「なるほど」という体験になりました。

「百聞は一見に如「し」かず」=他人の話を何度聴くよりも、一度実際の眼で見る方がよくわかる。

それは鉄棒に縄跳びの紐を結び 、その紐に自分の体を巻き付けて、落ちないように支え、自分の腰を安定させて腕の力で回るという練習でした。

指導者の言葉として、逆上がりの駆け上がる道具は、腕が伸びきってしまうので力のない子には困難な子もいるそうです。

幼児期の身体の軽い間に逆上がりの練習をして身に付けると劣等感が少なくて済むようです。

頑張れ、頑張れば逆上がりはできるようになるという精神論では身体の重い子、腕の力の弱い子、回ることに恐怖がある子、落ちることが不安な子にとっては、頑張れない鉄棒、特に、逆上がりにより景色が逆さ、どうなっているか理解できない恐怖、初めての不安です。

そのような時に「頑張れ・頑張れ・友達も頑張っている・負けるな」と言われ、できないと「自分はできない、もうやれない、頑張れない」といった劣等感に結び付いている子がいます。

泣いてしまうと「泣くな、〇〇だぞ」といった叱咤激励をされるとさらににげだして鉄棒と聴くだけで避けたい子もいます。

このように身体運動には体格差や体力差など個人差があります。「頑張れ・頑張ればだれでもできる」といった言葉でなく、相手には具体的にどのように困難に出会ったときに乗り切るかを知識と技術を丁寧に、わかる言葉で、優しく伝え、できた時に一緒にハグして抱いたり、拍手をして喜び合う親子でいたいものです。

いやな事、つらいこと、苦しいときに乗り越える知恵を子どもに与えたいものです。

人生は困難が多い、ぜひ、親はその子の悩みに対して一緒に考え、周囲から正しい情報を得る努力をして精神論でなく、幼児期に困難を乗り切る力「知識・技術・思考力・判断力・表現力など」を気づかせ、20年先でも自信を持って生きる子どもを育てるふれあいをしたいものです。

 

 

共に育つカテゴリの最新記事