人的環境と温かい愛のある雰囲気づくりの実践にむけて
国際子ども研究所 飯田 和也
リーダーとサブは連携が大事といわれているが、サブはただ、リーダーのできない実践の中で子どもが動けない事、一緒にできない事、指示してもできない事をやらせればいいと勝手に考えて補助すればいいという保育がみられます。これでは子どもの発達を保障する教育にはなりません。
ここで発達を保障する教育の連携に付いて考えたいものです。現場は連携を真剣に考えることです。
クラス担任が一人で保育実践をする場と複数で保育する場があります。一人で保育実践をする場合は『卒園まで身につけることが求められる心情・意欲・態度のねらい』を考慮して指導内容を偏らない五領域で実践します。
しかし、複数になるとお互いが勝手に考えた『ねらい』と『内容』をばらばらに保育することではありません。発達「自我能力と主体性」を身につける教育のため連携が重要になります。発達を共通に考えた連携の原則として『リーダーは、ねらいを考慮したうえで、指導したい内容を解る言葉で優しく伝える事で言いっぱなしにしない』
そして『サブリーダーは、リーダーが考慮している、楽しむ・味わう・広める・深める・しようとするといった卒園までに身につけるねらいをもった働きかけを話し合って共通理解したいものです。
当然、指導内容の考えとしてリーダーが考えたこと、例えば、子どもが保育に参加しているか、様々な保育場面を知るように見たり・聴いたり・触ったり・つくったりしているか、約束を守っているかを瞬時に判断して問いかけ、助言、慰め、励ましなどの発達支援をします』
しかし、リーダーとサブがねらいと内容を共通理解しないでばらばらな保育をしていると乳幼児は行動する時に混乱してしまいます。特に、リーダーとサブ両方の保育者が指導したい内容だけを持った働きかけをしていると、乳幼児にとっては怖い・いやな・辛い雰囲気が出来ます。
そこで複数の保育者は役割分担「場面によってはねらいを両方が持つ、又、どちらかがねらいをもち、片方が指導したい内容を働きかけることで偏った指導から幅広い教育に結びつけます。複数の中のひとりの保育者が『卒園までに身につけるねらい』であるゆとりをもって保育すると、乳幼児にとって保育室は失敗してもいい・出来ない時もある・少し出来るだけでもいいと言う温かい雰囲気の感覚となり主体的な行為が育つ場「教育を身につける」となります。
次のような複数の保育者のかかわりは注意したいものです。
四年目の専任の先生と10年以上保育経験がある非常勤の先生と言う組み合わせの複数担任でした。そこには四年目のリーダーはベテランの先生には指示しづらい、ベテランは真似すれば出来るからモデルになっていればいいという考えでお互いが勝手に解釈しばらばらな保育態度と言えました。
すると四年目はベテランがそばにいるから、自分は短大の後輩であるので、リーダーとして身体を使わなければならないと考えた態度で年長児のクラスであるにもかかわらず子どもの能力を活かすように動かす事なく、先生として後輩は動き回っている場が見られました。
四年目は一生懸命働かなくてはと言うことで,汗を出して走り回り保育中は笑顔が全く見られませんでした。ベテランは後輩に対して注意することなく、自分は黙々とリーダーが伝えた事で椅子がずれていれば直し、紙が落ちていれば拾い、静かにしていない子には静かにさせる指導したい内容だけを重視している先輩の保育場面でした。
子どもからのサインとして「静かにしているよ、先生の話し聴いているよ、
並んでというから並んだよ、どうして〇〇」と言っても答えてくれない・受け止めること・聞くことをしない愛の少ない態度の複数の先生たちでした。
ここで教育としてリーダーは一人ひとりに対して瞬時に受け入れ・共感できないときが多いので、サブが共感してほめる態度で温かい雰囲気をつくることです。複数の保育者が指導したい内容だけ保育しているのでなく、笑顔でゆったりと失敗してもいいよといったねらいをどちらかが持つ時を約束することがない連携でした。
獅子舞を地域の人々のボランティアが年長児に伝承している場面で、周囲にいる保育者は笑顔なく一生懸命に一緒になって教えていたために、温かい雰囲気は全く見られなかった。
周囲にいる先生は獅子舞を教える人が笛の音色・リズムに合わせて足の動き素敵だね、手がピンとして気持いいね、獅子が顔や身体の向きが面白かったよ、太鼓のリズムで尻尾の動き面白いねといった共感が全くなかった。先生,出来た見てというサインを受け入れるのでなく、先生も1/2/3/4とリズムと振りを一生懸命ボランティアの人々の指導を見つけて教え込んでいるだけで笑顔が出てこない雰囲気を作っていたのでした。
サブである先生たちは周囲で温かい雰囲気を出し楽しいな、面白い、地域の楽しむためにしていることを認識させることです。特に、お年寄りから伝承される踊りを通して一緒に踊る、笛や太鼓に合わせて振りを身につけ人前で堂々たる態度で楽しく踊るのが社会教育に協力した幼児教育といえます。
体操の専門家が園児に体操の技術を教えている場面も同じです。跳び箱の跳び方を教えている時、マットで前転や側転を伝えている時、鉄棒で逆上がりをロープ等で工夫して跳べるように教えている時に、周囲のクラス担任がサブになっているとき先生の指導と同じ方法をするために必死になって「はい、○○持って」「△△して」「×に手をついて」と伝えていると怖い雰囲気の場面となります。