共に育つ愛の保育 令和5年5月 10日
No 469 誠和幼稚園 誠和あい保育園 info@seiwa-kg.jp
子どもは周りからありがとう・優しいねと言われているからありがとうや優しいという言葉や態度が身についています。 統括園長 飯田 和也
入園して一か月経ち五月になると子どもがそれぞれ大きく成長・発達し始めます。ありがとうの飛び交っている温かい雰囲気のあるクラスで生活していた子どもは家庭でも「ありがとう」という言葉が出始めて親はいつの間に「ありがとう」が言えるようになった姿に驚かせられることがあります。
人は環境との相互作用で発達する」という子どもが育っている環境によって影響されるという大切な言葉があります。
子どもの周りにいる大人が「おはよう」「ありがとう」「優しいね」といった言葉を話すことが少ない環境にいると、そこに育った子どもも「ありがとう」「おはよう」という言葉=環境を話すことが少ない状態が見られます。
子どもにとっては温かい言葉にあふれていれば自然に温かい言葉が身に付きます。しかし、汚い=乱暴な言葉を周囲が使っていると汚い言葉を平気で使う子どもに結び付く場合もあります。
また「ありがとう」を言わせようと「ありがとう」は、「ありがとう」を言わないとだめと指示を言いすぎると子どもは言えた喜びでなく、心からありがとうという態度に結び付かなく言わせられているという感覚になって自分から言いたくなくなってしまう子もいます。
最初は、はっきりと「ありがとう」が言えなくてもいいよ、『アン』と頭を下げるだけでいいよ、自分がおもちゃを片付けたり、ごみ箱にごみを入れたり、自分がしたことが認められて、周囲からありがとうという温かい言葉と態度が与えられることで自然身についていきます。
五歳前後になると友達と遊びたい、一緒にいたい、仲間になりたいという時に汚い言葉、大人からは悪い使い方、仲間しか使えない言葉をつかう時期があります。「そんな言葉を誰が教えたの」「使ってはダメ」と言いすぎるとわざと汚い言葉を使い、無視する態度が見られる場合があります。何度も言いすぎるのでなく、自分の家庭では人に不快感を与える言葉は禁止ですということも約束として話して、禁止しすぎるのでなく卒業させ、おおらかに見守ることも大切です。
人的環境として周囲の大人がモデルになっていることと同時に、時々「わかる話し方」「相手に聞こえ、はっきりした話し方」など最初は失敗してもいいよと園や家庭の約束事ややさしい態度ができるようになったねと大人が伝えることで小学校・中学校になった時に思い出すのが子どもたちです。
伝えたいことはすぐに伝わりません。しかし、何年もたつと親の言葉や先生の心が思い出されます。
先生や親から「笑顔で受け入れられ」愛されているからじっと我慢して人の話を聴く態度が子どもは育つことを信じることです。温かい愛のある雰囲気を園と家庭で作り、人や物を大切にする生きる力を育てたいものです。