共に育つ喜び 令和5年 2月13日
No 466 誠和幼稚園 誠和あい保育園 info@seiwa-kg.jp
くせは治すことにこだわるとなかなか治りません。治る力を見つけ・信じて卒業させようという働きを利用したいものです。 飯田 和也
治る力とは、音や光、におい、冷たさや熱さに過敏、人の動きと距離に敏感など鋭いことを持っていて反応が素晴らしいことを見つけ、共感し「癖=こだわり」の他にも能力があることを気づかせることです。
「〇〇の音を聞く力すごい」「きれいな光を見つけられるね」「いいにおいをかいだね」「氷や水の冷たいのすぐわかるね」「友達の動き見つけたね」など鋭い力を見つけ、ほめて共感します。自分には素晴らしい資質と能力があることを自覚させることで自信を持たせ一つでも楽しいこと、嬉しいこと、やれることを気づかせることです。くせにこだわるだけでなく、他の能力を気づかせて自分の能力を見つける言葉をかけたいものです。
治そうとして癖ばかりを指摘しすぎるとこどもは自分の癖を意識しすぎて行動が偏って他の力を弱くしてしまいます。
一日の中で癖ばかりを直そうとし過ぎるのでなく、いいところを見つけ、癖をだしていない時を当たり前としないで、「ぴくぴくチックしていないでよかったね、指吸っていないと素敵、雷の音していない時泣かないね、新しい服着てすごいね、ピーマンのにおいかいだね、一口食べてすばらしい、友達と手をつなぐこと出来てやさしいね」当たり前と思わないでほめて・共感して癖を気づかせない温かい愛のある雰囲気を作ることで情緒が安定した生活を過ごすことになります。
出かける時に着る服を選ぶ時、同じ形で同じ色の服しか着ていかないというこだわる子どもがいます。自分の着た服を周囲の人から「かわいい・似合うね」等ほめられて自信をもって出かけると、さらに「その服素敵」と褒められることでこの服は自分にとって褒められる体験として快い感覚になり、いつもこの服を着れば気持ちイイとなってこだわることに結び付きます。
卒業させるには、「わあ、かわいい・わあ・きれい」といったほめ方から「この服のお姫様の赤いリボン素敵」と具体的な言葉をかけて他にも意識を持たせることです。
高い声をあげたり、顔の一部をぴくぴくとする、身体の一部を動かすチックになる場合もあります。体調が不調の時、下に弟や妹が生まれて赤ちゃん返りをしたり、怒られたり・注意の仕方が厳しくて神経質になってしまいチック症状がみられる場合があります、大切なのは顔をぴくぴく・身体を動かせていないときがあります。
チックをしていない時を当たり前でなく見つけて褒めることで、治すのでなく卒業させます。
おはようを言うとき、お・お、おおとおはようがスムーズに言えない場合、「お・・・・」とはっきり聞こえなくても「小さな声だけれどおはようといえて素晴らしいよ」「声が出ていればいいのだよ」とはじめは発音できた喜びを味合わせ、もっと言いたいという意欲を育てます。治しすぎると二次障害としてしゃべらないことになる場合があります。
人は様々な癖をもって生活しています。その癖を直そうとこだわりすぎることでさらに癖が続き、深まっておおらかな生き方ができない場合になることを注意したいものです。
癖よりもっと素晴らしい能力をみつけて生きる力を育てたいものです。