怖いもの見たさ「観察力」から鬼の絵を通して保育の奥の深さを知り、

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怖いもの見たさ「観察力」から鬼の絵を通して保育の奥の深さを知り、

研修資料 15号 怖いものみたさ「観察力」から鬼の絵を通して保育の奥の深さを知り、量から質の保育へ結び付ける研修です。乳幼児が様々な表現力を持っている能力を幼児期に持たせ深める教育が求められます。

飯田 和也

 

保育現場は忙しすぎます、時間的なゆとりを持ちじっくりと子どもと触れ合う実践ができることです。保育者として一つでいいから本当の教育=発達を会得する理論と実践を育てる研修会が必要です。

教育要領・保育指針で示された育みたい発達として、三つの柱1 知識と技能 2 思考力 判断力 表現力 3 非認知能力「挑戦・我慢して最後までやり遂げる・自尊心・思いやり」知能テストでは測ることができない能力を身につけることが問われています。

高校卒業まで続く能力で大学入試の表現力に影響があるのが幼児期の刺激ある体験が原点になります。観察力と表現力に結び付ける教育が必要ですが、知識と技術を高めることだけにとらわれ、一年間の保育で発表会の時だけ楽器、ピアニカ・太鼓・琴・踊などを一斉に指導している表現に偏った実態があります。

自主性・主体性を大切にしていると言いながら日常の表現力「相手にわかるように」が低下し本当に身についていない矛盾保育が各地に見られる現場もあります。

 

大学入試で表現力が求められるようになりましたが、言葉の使い方をはじめ様々表現する力が求められる教育です。

幼児期に偏らない環境構成として教材を配慮し、表現の中で言えた・描けた・歌えた・踊れた・太鼓が合わせれた・ピアニカが吹けたという体験を味合わせ小学校に結び付けて、表現できた自信を持たせて入学させたいものです。

劣等感を与えない表現の指導の考えです。

 

節分の例として、怖いものを発見した、赤鬼・青鬼、黄色と黒のシマシマのパンツ履いていた,角があった、があーと怒鳴って金棒もって怖かった。怖くって豆を思いきり投げた。節分の鬼が登場して暴れまわり、捕まらないように逃げ回った。その時、鬼の姿・色・形を逃げながら見た・ちらっとだが発見した。頭にこびりついた刺激が表現へ結び付いていることを保育者は理解することです。

このような子どもが自ら観察し発見した場合は、新しいことを気づき、今までと違うことをみつけ、新たな考えが出来て知識も広がってきたことに結び付きます。

、それを絵に描いたり、粘土で形を作ったり、言葉や、歌にしたり、ふりしたり、作文に表すことで表現が豊かにできるようになるのが教育です。

大人は保育の場面・親は家庭での場面において子どもたちが様々な状況で感動すること・感激する場などを準備すること、このチャンスを作ることで感性が豊かになる時を見つけ、考えたことを大事にすることです。そして、大人は子どもの考えを止めるのでなく発展させ生きる力に結びつけることです。

冬には雪・氷・霜柱・水の冷たさ、春には空気の温かさ、桜の花がきれい、ひらひらと花弁が散っているなど子どもが気づき感動の声を発した時に、大人が一緒に気づき合わせることです。

そこに子どもの発見を共感して観察する力を気づかせ、感動することで一生心のつながりに結び付きます。きれい・おいしい・まずい・怖い・優しいなど様々な新しいことを発見したときに先生は無関心・無感動でなく子どもの様々な気づきを止めないことです。

気づきを発展させるには、子どもと一緒になって楽しいこと、うれしいこと、面白いこと、きれいなことを体験しようとする心です。

同じテンポで散歩したり、同じ目線で花を見たり、ありの動きを見たり、ヒヤシンスのにおいをかいだり、砂場の砂で山を作ったり、泥遊びをしたり、川で沢蟹を捕まえることで手先の能力・身体的な動き・肌ざわりで感触を体験することで子どもの目・耳・手・足になろうとすることでもっとやってみようという子どもの意欲に結び付きます。

このように子どもの考えたことを止めるのでなく発展させるには、子どもが主語という保育・教育をすることです。

子どもが新しい体験して様々なことを認識し把握し自覚できる環境を地域の中で見つけ構成するのが保育のプロといえます。

節分の鬼が出てきて怖いもの見たさの環境、遠足で家族と一緒になってお昼を食べて楽しかった場面、運動会で友達をリレーで抜かして満足した場面など心に残る環境をつくることです。そして、上手に描かせるのでなく心に残った場面を思い出して描くときに子どもが主語で描いた喜びを味合わせ、考えていること、さらに深く工夫する力を与えて発展させる保育の質の高さに結び付き生き抜く力を与える教育が求められています。

 

保育の質を高めるには、保育者の観察力と発達支援が求められます。

1 子どもが考える場面の一つとして怖い場面は「節分」がありますが他にも怖い・刺激的な場面はありますか。

「先生が怒って怖いのも体験です」友達が恐い言い方、一人になって怖い場面等子どもにとって保育の中で虐待に近いことも見られるのを点検・評価するチャンスです。保育の中で育った観察力で絵の表現を伸ばす方法を考察したいものです。節分でものすごく怖いと観察した鬼の顔・恐ろしい声・近づいて連れていかれそうになった恐怖を自分なりに感じたこと・気づいたときを自分しかできない色・形・おおきさ・揺れ動く怖さ・乗り越えた安堵の雰囲気・部屋の周りの色・豆の数の多さなど鋭い観察力により自分なりの技術で下手でも理解する先生の受け入れる資質と能力が求められます。

節分の他に観察力をどのように伸ばす教育・教材が考えられるか検討します。

2 子どもが楽しい場面の一つに親子で食事をする遠足がありますが、保育の中で楽しい場面はどのような時ですか。

どのように行事や日常の保育の環境を準備するには何を大切にしてこどもなりの表現に結び付ける保育が求められます。絵・歌・言葉・踊り・制作の環境と発達支援とは。親子の遠足では、温かい太陽・芝生の色・座った時のシートの肌さわり・隣の子の食べ物の大きさやおいしさの品・母親の嬉しそうな笑顔と弁当のおいしさ・お菓子や食べ物の交換する楽しさ。

きれいに描くのでなく親に守られ温かさを表現させる言葉かけと、子どもは自分なりの技術を認めてくれる教育を求めています。自分の出し方教育に結び付く温かい場面・楽しい保育での出来事思い出すことで絵・歌・言葉・ダンスなど自分でしか表現しかできないことがあります。

出し方教育の中でどのような働きかけをしているか点検・評価する具体的な方法・場を考えてください。

 

3 子どもが友達同士で思い出となり絵に描きたくなるような場面はどのような場面ですか。一人だけでなく二人以上の活動の環境で何が当てはまりますか。

今後、人とかかわること「優しい思いやり・いじめられて悲しかったこと」を大切にして、生きる力に結び付ける保育の立案のため点検・評価して改善に結び付けたいものです。

こどもたちに思い出となる具体的な環境構成はどんな場面でしたか。子どもが主語になっていた行事・遊びは何でしたか。

 

4 子どもが先生に愛されている場面で、けがして痛かった・友達にいじめられて泣いてしまった時、先生の優しいぬくもりと言葉かけにより、慰められたという場面の他にはどのような保育がありますか。

先生が慰め、代弁することで子どもにとって心に残る保育ができます。教育は、どれだけ先生に愛されていたか自覚できる体験により、困難を乗り切る力に結び付き、受け入れられたことで自分から〇〇する力になります。

子どもに寄り添った場面を思い出して自我能力に結び付いた保育ができたか点検・評価して具体的に発達支援したことはどんなことでしたか。 乳幼児から自分に対して、手を握ってきたこと、膝の上に乗っかって本読んで」と言ってきたこと、「先生、遊そぼ」とままごとを持ってきたこと、「食べて」と砂のプリンを持ってきたことなど、最近の子どもとのかかわり中,一つでいいから心に残る保育ができたことを記述してください。

 

5 この他にも子どもにとって心にのこる保育から一生の思い出となり、10年経ってから心の基地となり園に戻ってくる子どもたちがいます。心の基地となった子どもたちの戻ってくる理由は何だと思いますか。

以上は、子どもたちの表現力を伸ばすために、保育者の表現力を豊かにする試みの一つです。参考にしてください。

このような話し合いにより、今後の表現力を豊かにする課題と改善に結び付く時間になります。子どもたちのための資料提供をして保育の質を高めたいものです。

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