「自分の出し方教育」がこれからの教育に求められています。自分を表現する力があるかないかによって生きる力に結び付きます。幼児期に人に対して話すこと、かかわること、聞く姿勢、自分から〇〇する力を周囲が育てることです。 統括園長 飯田 和也
幼稚園・保育園・こども園では、自分を出すためには出したくなる雰囲気を作り、この部屋では自分を出してもいいのだよ、と温かく受け入れる保育が求められます。家庭で、早くしゃべりなさい、すぐできるようにしなさい、間違いないように作りなさい、友達に負けないように頑張りなさいという育て方は、「自分の出し方教育」には結び付かなくて劣等感を与えてしまうことになります。
1 話すことを恐れないために、はっきり言えなくて・黙っていても「今、考えているのだね」と温かく受け入れてくれる先生・友達・お母さんがいれば、自分のことを愛してくれることがわかりしばらくすると伝えられるようになります。
2 大きな声ではっきり・正しく言えなくても、そばで優しいまなざしで、うなずき、多くのことを言わないでも、あなたのために腰を落ち着けて静かに聞いてくれる先生・友達・お父さんがいれば次第に通じるようになります。
3 自分の好きなことを認め・受け入れ・能力として信じてくれる先生や友達がいる場所があれば、自分には能力があると気づき自信を持つようになります。
4 共に泣いてくれる先生・共に怒ってくれる友達・共に喜んでくれる仲間がいれば、自分は愛されていると感じるようになり話すことできるようになります。
5 話すだけでない・絵で描くこともいい・踊りで踊ること・折り紙で折ること・縄跳びがとべるようになったこと・粘土で団子ができるようになったこと・ダンゴムシを捕まえることができるようになったこと、今までと違って自分しかできないことを見つけてくれる先生や友達・家族がいれば、自分で〇〇できて主体的な行動ができるように結び付き表現できる力となります。
7 自分のいいこと一つでいいから見つけて周りに伝えてくれる先生や家族がいれば周りで認められて一人で生きていける力になります。
8 はっきりいえなくて・上手に作れなくて・細かいところができなくて困った時、ちょっと肩に手を置いたり、手をにぎって、頑張っているねとぬくもりをあたえてくれる先生やお母さん・おとうさんがいれば主体的な生きる力になります。
「自分の出し方教育」には、保育園・幼稚園・こども園・学校の教育だけでなく家庭と住んでいる地域全体で上手にできなくてもいいよ、間違っても心配ないよ、一つできればいいのだよという温かい愛のある雰囲気が周囲にあれば不安感・不信感を持たなくて情緒が安定して自分を出すことができます。
子どもを心から愛していれば先生を含めた大人の笑顔の中で自分の出し方教育に結びつきます。