幼児期に考える力と相手に伝える能力を少しでも身につけ社会的自立する育て方

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幼児期に考える力と相手に伝える能力を少しでも身につけ社会的自立する育て方

幼児期に考える力と相手に伝える能力を少しでも身につけ社会的自立する育て方
元東海学園大学特任教授 統括園長  飯田 和也

これからの大学入試は知識偏重から思考力重視になります。今までのような知識を多く詰め込んでいれば合格するという時代でなく〈どうして?〉{何故選んだの}といった問いかけに対して、自分の考えていることを言葉で相手に伝えることが求められます。

そして「なぜか」を考える生き方を持って社会で生きていく力が求められます。家庭での育て方や幼児教育を見直さなければ簡単に身につきません。
今までの育て方の反省は、親や先生が言葉を頭ごなしに〇〇だから覚えなさい、という一方的な教育や姿勢が多くありました。子どもは静かに黙って聞く姿勢でした。

大学でも教授の一方的な講義で知識を持たせればいいという教育が時々見られました。しかし、社会的に自立して世界の中で仕事をするにあたって自分の考えを持つことと相手に解かりやすく丁寧に優しく伝える力が要求されている中で苦手な人が見られます。

社会的自立のため体験する実習生には、現場で問いかけのうまい先生を見つけて真似しなさいと伝えてオリエンテーションをしています。社会の中ですぐに答えを与える先生は多くいます。そのような中で答えをすぐに言わないで「問いかけ」の上手な先生がいっぱいいます。

「次どうすると折り紙半分になるかな」「どうしたら指と指の間きれいになるかな」「隣りの〇〇ちゃんの動きを見るとどうなるかな」「どうやって鉄棒を持ったら回るかな」といった自分の考えを言葉として出させる問いかけが最も大切になります。

まず間違ってもいいので自分の考えを言葉で表現することです。しかし、日本の家庭でのしつけや幼児教育は、親や先生の言葉だけを伝えて覚えれば頭のいい子が育つという姿勢・態度が多くありました.

大学で講義をしている時も最後まで黙って聞いている雰囲気で聴くだけの場や時が教室にあふれている時代が続いていました。

家庭での読み聞かせでも静かに聞いている育て方が一般的でした。言葉のやり取りが少なく子どもの考えを言葉にしなくてもいい環境が見られました。また、学校や家庭で〈なぜ思う〉「どうして」という質問が少ない実態もあります。「どうして」と問いかけるとびっくりする学生や大人がいて、自分の考えを自分で整理して深く考える時を与えられて育っていないことが見られます。

何故かを瞬時に解かりやすく言葉にして表現すること、踊りの指導で「お母さん座りしているとすぐ立てないよ」なぜかという理由を考えることで正しい情報を持つ癖・自分で考え、社会的自立で重要な言葉の表現力が身につき社会に出てから役に立つ資質と能力に結び付きます。

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