保育の質を高める 園内研修 保護者と保育者が同じ資料共有する効果

NO IMAGE

保育の質を高める 園内研修 保護者と保育者が同じ資料共有する効果

B 保育の質を高める園内研修 保護者と保育者が同じ資料を共有する効果

保育の質を高めるには保護者へ優しい言い方としつっこくいわない約束を伝え保護者と子どもへの接し方で発達の根拠を共有する努力が保育実践を高めことになります。

 

保育者は子どものいいところを見落とす時がある、そして、子どもはほめられないと不信感を持ち、その相手には意欲を示さない。

元東海学園大学・元名古屋柳城短大教授   飯田 和也

先生は子どもの我慢しているところを見つけないでダラダラ・みんなと一緒にしていないところばかりを見て注意し文句言うことがあります。

本当は子どもにとっては大好きな先生にほめられたい・認めてもらいたい、愛されて園生活したいと願っています。子ども園・保育園・幼稚園の時に先生から温かい愛のある言葉で育てられることで我慢して人の話を聞く態度が育ち生き抜きます。ぜひ、子どもにとって心に残る温かい言葉・優しい言い方を工夫して伝えることは社会的自立に結びつき、人にやさしく思いやりのある生きる人生を過ごす基本を味合わせる園生活をしてほしいものです。

 

給食の時、ご飯をこぼしているところばかり見て、こぼさないところを見ていないで小言を言う先生。「前に比べるとこぼさなくなって素敵だね」

先生に注意されたことを思い出し、手先を上手に使えるようになったことを認めてくれる先生と出会い愛されていると感じて三つの柱の一つ目の知識と技能が発達したことを気づかせる保育になります。

 

おもちゃを散らかしているところばかり見ていて片づけているところを見ていない先生。「優しく〇〇持って元に戻して素晴らしいね」

知能テストでは測ることかできない、優しく持つ・優しくするという三つの柱の三つ目の非認知能力「挑戦・忍耐・思いやりなど」を身に着けていることを自覚する場になります。このように自分から〇〇を片付けたことで一生心に残る出会いの保育に結び付きます。

 

おはようと小さな声で言っているのに気づかないでもっと大きな声で言いなさいという先生。「小さな声でもおはよう言えてうれしいよ」

大きくはっきりした声が出ない時、自分なりにおはようと言ったことを認めてくれる先生がいることで次はもう少し大きく、また、頑張っていってみたいという三つの柱の〈思考力・判断力・表現力〉の資質を見つけ、表現力を伸ばしてくれる保育となり、学校に行ってから人前で堂々たる態度ができる表現力を伸ばしてくれる先生と出会ったとなります。

友達を押したり・たたいたりしているところばかり見ていて優しく手をつないでいるところを見てくれない先生。「優しく手をつないで気持ちいいね」

保育場面で家族以外の人と手を握ることで、ぬくもりを味わい、優しく握られ、そっと触れ合うことで友達とかかわる第一歩となり、社会的自立の第一歩となります。そのような大事な生きる力は知能テストでは測れない思いやりを一生身に着けるチャンスの保育となります。人と喧嘩したり、受け入れないのを注意されすぎるのでなく、優しさが自分にはあることを気づかせるのが保育の質を高めてくれる園として保護者に信頼を得ることに結び付きます。

 

我慢して話を聞いているのに聞いていないところばかり見つけて我慢させようとしている先生。「ちゃんと座って我慢して聞けて大丸〇〇だよ」

大丸だよと笑顔で認めてくれることで愛されていることを感じ、その人のそばにいたいとなり、我慢している態度が身に付きます。先生に愛されているから人を愛する姿になり学校に行ってからも教室で聞く態度ができ三つの柱が促される力に結びつきます。

 

好きな絵描いてといわれたあと、いつまでボーとしているの、早くしないと間に合わないよ、今、次どうしようかと考えているのに。「今、考えているのだね」

やらせること・頑張らせること・上手に書かせようという姿勢だけでなく、相手を受け入れる態度として優しい言い方が与えられることで意欲に結びつきます。この乳幼児が生きていたいという心を大切にすることが保育の質を高める実践に結びつきます。

 

子どもにとっては、いつも文句や小言ばかり言われているのでは、その人の近くに行きたくありません。また、先生の言い方が冷たく・厳しく・何度も言われるとやる気に結びつきません。子どもの考えている時・ことを受け入れ、能力を信じて認める心が求められます。

子どもが将来、高校卒業して独り立ちし社会的自立ができることを願って温かい心を優しく伝えることで挑戦と我慢、そして人やモノにやさしくする生き方が身に付くことを確認して保育の質の高い実践をしたいと思います。

保育の質を高める研修には、発達「資質と能力」の三つの柱を理解し、卒園まで一人ひとりを観察し、育った環境を把握して、個人差にふさわしい温かいかかわりをします。特に、人には優しい言い方を全員が共有することが求められます。

園全体が保育の知識と技術を高め地域から信頼され特色となるには、保護者へ伝える時プリントAだけでなくプリントBも参照して全職員が言い方を共有し親が安心できる研修を受けていることが大切です。

飯田和也の「保育の基本」カテゴリの最新記事