毎月配布しているお母さんへの手紙です。
保護者の方へ幼児教育について・育て方について参考に していただければ幸いです。
家庭で愛され、可愛がられて育っていた家族と言う温かい環境から始めてみる友達がいる保育と言う集団と出会うことが四月です。
乳児でも幼児でも年長児でも新しい仲間とどのようにかかわっていいか困り、悩み戸惑うのが最初です。
けれど同時に家庭と違っておもちゃや遊ぶものが様々あり、楽しそうな声が聞こえ、触ってみると面白く、嬉しい気持となり生きている喜びを味わうのが入園と進級の四月と言えます。
園生活では四月中に全て上手に出来るようにさせる教育をしていません。
来年の三月までとか、場合によっては卒園するまでに上手に出来るようにするのが幼稚園や保育園・子ども園の教育と言うことを理解することでお母さんもほっとします。
一番ほっと安心して気楽に園生活を楽しむのが子どもです。
仲間と仲良く遊んだり、服を上手に脱いだり着たり、トイレを失敗しないこと、給食を全部食べることなどできる子とできない年齢の子どもたちがいます。
一年間を通して大人から言われないで自分で○○する力、いやなことに出会っても逃げないで乗り切る力、やりたくない事でもじっと我慢して耐える力、好きな食べ物だけを食べるのでなく少しだけ口をつけて味わう能力、最初は緊張と不安なために出来ないのが子ども、やれないのが子ども、見ているのが子ども、傍にいるだけで楽しむのが四月です。
子どもの出来ない姿を見て信じられなくて言い過ぎるのがお母さん、「せっかちな親からのろのろした子が育つ」
この言葉を時々使います。親がいなくなった後も「自分で○○する」能力を身につけ生きる力をつけさせるのが親の責任と義務です。同じくそのような自分で生きる力を身につけさせるのが幼児教育です。子どもはすぐには身につきません。一年間かかる子もいれば三年間かかる子もいるのが発達の個人差です。
園では家庭環境と異なり同じ年齢の子どもとのかかわりがあります。
そこでは身体のこなしや手先の器用さ、身長の高さ、体重の違い、言葉を理解し話すことが多いか少ないか、トイレの使い方、食べ物の好き嫌いなど多くの子どもたちの中でわが子を比較するとできている事、できていないことなど四月は個人差が見られます。
自分の子どもよりおさない年齢の子を見るとわが子がはるかに話すこと、歩く事、走る事等大きく成長・発達していることが理解でき能力があることを信じることが出来るのが四月です。
年長児など大きな子どもらは少し遠慮しています、小さい子には威張る場合もあります、又、手を引いたり、靴を履かせようとしたり自分は大きいという意識を持ち世話します。自分より小さい子の姿を見ると泣いていた子が我慢してなきやむ場合もあるのが四月です。
親や大人が何にでも先に手を出し、言い過ぎの過干渉な態度、全て受け入れ・言いなりとなる過保護では困難を乗り切り荒波を乗り越える生き抜く能力を育てることが出来ません。
ちょっと待つ間を持つ事で子どもは考える力を気づきます。
困った体験をすることで慎重になり、次に考えます。
手をかけられないことで自分の出来る工夫を見つけます。
小さな失敗をして大きな失敗をしない力を身につけます。
園生活を通してわが子が困難を乗り越え、自分で○○する力を身につけるため 子育ての悩み・喜びを共感していただく新しい仲間を見つけるのが四月です。
園長 飯田 和也