子どもに生きる力を気付かせるのが教育である。

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子どもに生きる力を気付かせるのが教育である。

 算数の計算が沢山できることや漢字が上手に書けることも教育には大切といえます。しかし、知識や技術を追い求め人生の生き方を、教えられない今までの教育を見直したいものです。それも乳幼児期からも教育を考え直さなければならないといえます。この時期から『生きる力』を育てるのが教育の基本のひとつではないでしょうか。


 乳幼児の「生きる力」を育てるには、我々大人が子どもたち一人ひとりに「貴方」は存在しているだけで周囲の人に希望を与え、生きる力や幸福感・充実感・生きている喜びを味あわせていることを伝える事が大切といえます。それには、「生まれて来てくれてありがとう、傍にいるだけでうれしい、見ているだけで幸せを味わうことができていますよ、貴方の匂いをかげるだけで幸せ、声を聞いているだけで嬉しい、手を握ることができるだけよかった」ということを伝えることです。手を握ったり、言葉をかけたり、積極的な触れ合いを通して愛しているということと貴方は生まれてきた事で周囲の人々を幸せにしている「光」 のような存在という思いがあって伝わるといえます。

 母親が自分の幼子と一緒にいることを幸せに感じることが出来れば、乳幼児は母親と一緒にいることが幸福といえます。親として大切なことが愛情を乳幼児に心から注ぐという態度をすることで、子どもは愛されているという感覚になります。しかし、母親ひとりではなかなか子育てはできません。育児は自分が住んでいる地域の中で、多くの人々に手がけられて育つことになります。周囲の様々な人によって叱られたり、褒められたり、受け入れられたりして育てられなければなりません。家庭だけで育つ事は出来ないのが子どもです。いたずらしたりして叱られたり、いいことをして褒められる事で、子どもは社会のルールを身につけ、たくましく育つことができます。
家庭だけでは、母親の育児不安やストレスがたまり、その影響から問題行動を子どもが起こしやすくなる場合もみられます。子育ては地域に迷惑をかけるものだ、そして、お互いの家庭が協力し合うことが大切だということも肝に銘じて生きていかなければなりません。

 乳幼児にとって大切なことは、自分の傍にいる事を幸福に感じる人の手で育てられることを感覚的に味わっています。 子どもと子どもを取り巻く周囲の人との愛情ある雰囲気の中で信頼感が育っていきます。

 「子どもは人を信じることができるように育てなければ成らない。子どもに限らず人は、人を信じることによってのみ、自分を信じることができるようになる」エリクソン
乳幼児は、基本的には積極的な保護と世話をしてくれる母親への信頼から生まれてきて良かったという感覚から相手を信頼することになります。そして周囲にいる父親や兄弟、祖父母へと関わりを広げ、地域の人々から幼稚園や保育園での先生や友達を信じることができるようになっていきます。どのような人間に育っていくかは、どのような人々との関わりによって大きく左右されます。自分を信じ、愛してくれる人との交わりがあれば相手を受け入れる生き方に結びつきます。豊かな人間関係は、相互に与え合うことであって一方的な関係ではありません。人生には様々な節目があります、入園・卒園・誕生日という節目の時、一年前を振り返って発達したところを見つけ、伸びたところから能力があることを信じてあげてください。信じられることから生きている喜びとなり、自分を信じることで生きていく力に結びつきます。このように生きる力を育てるのがこれからの教育のひとつといえます。 

園長  飯田和也

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