郵便ごっこは高校になったとき、文字だけでない・郵便番号・住所・友達に手紙出したことを思い出させ、社会的自立の第一歩を味合わせたい教育です。
元名古屋柳城短大教授 元東海学園大学特任教授
誠和幼稚園 誠和あい保育園 統括園長 飯田 和也
郵便ごっこは、高校の新教育要領「国語」2022年、文学国語・論理国語などに分けられる高校の教育に結び付くことを知らなければならない。高校の国語では「文学的」「論理的」「実用的」の三つに分けられる。
論理的な文章と実用的な文章を扱う〈論理国語〉小説や詩など扱う〈文学国語〉などの選択科目に分けられます。社会に出てから実用的な文章が書けない若者に契約書をはじめ社会的自立に必要な言葉を身に付けさせることと言えます。
このような高校教育が今後ある中、幼児期の「郵便ごっこ」には教育として文字を読む・見つける・文字を書く・体験として結び付けることができます。ただ保育は遊びが大切と遊びだけでなく数や文字に触れ合う、友達とかかわるということを説明し保育者も保護者も幼児教育は高校卒業まで続くことを認識しなければなりません。
日本の高校の教育も変わっていく中で幼稚園・保育園・こども園は子どもを預けるだけでなく教育〈自分から〇〇する、困難対処〉を身につけ社会的自立の発達を促す教育を従来からしていました。
しかし、教育しているという理解が少なく遊びが大切ですよというだけで、具体的な指示や説明をしないで短大や養成校で授業して現場に送り出している実態がありました。次に示す発達の資質と能力の基礎に結びついた教育を含まれていることを社会は再確認しなければ世界の教育についていくことが難しいといえます。
養護に包まれて三つの柱〈資質と能力〉を高校卒業まで続け社会的自立する教育の事例の一考察
今回の幼児教育は高校卒業まで続くという考えを取り上げて、三つの柱〈資質と能力〉が将来の発達の方向性として五領域とかかわっていることを郵便ごっこで分析したいと思います。
三つの柱 五領域とのかかわり
知識 自分の郵便番号・氏名・住所を理解する。友達も含め 環境・言葉・表現
技術 文字を書く技術・郵便ごっこに使用する道具製作・ポスト・ハガキ・
郵便番号表作成・指先や体全体を使って行動する力。 健康・環境・
思考力 手紙を出す相手の郵便番号・住所調べる。どこに住んでいるか聞いて調べる。自分の郵便番号・住んでいる所を考える。数・ひらがな。
人間関係・環境・言葉・表現
判断力 郵便番号・住所の番号が本当に合っているか判断する。友達と話し合って住んでいる所を考え・判断する。 環境・言葉・表現
表現力 ひらがな・カタカナ・漢字で相手に伝える。友達に聞き・話す。
自分なりに考えて文章や絵も入れて書く。 人間関係・環境・言葉・表現
非認知能力
チャレンジ 新しい文字や住所を調べ失敗しても書く。聞いて書く。友達の住んでいるところを初めて聞こうとする。環境・人間関係
忍耐 初めて長い言葉も最後まで我慢し書く。友達が喜ぶ姿を見るために我慢して絵や文字を書く。
健康・環境・言葉・人間関係
思いやり 文字が間違っていても文句いわない。周りの子どもの失敗をうけいれ、書けたらほめあう。 人間関係・表現
このように三つの柱〈資質と能力〉を身につけるため五領域で発達が偏らないために結びつきを分析し自分の偏り・癖を時々把握して一人一人の発達を促す立案と実践に教育することです。将来の読解力を身につけるだけでなく実用的な文章も社会的自立には求められています。
幼児期に高校の新学習指導要領にも求められる基礎として三つの柱は高校卒業まで続くことを親も先生も理解していたいものです。ただ郵便ごっこをさせればいいでなく資質と能力を捉えて社会的自立の基本を幼児期に体験していること、10年先の教育、20年先の生き方に結び付いていることを日本中の親も先生も確認して養護に包まれた教育を実践しなければ世界に立ち向かう資質と能力を身につけることはできません。
そして養護に包まれて教育があるという一日中保育者に命を守られ、病気にならない、甘えを受け入れてくれる温かい愛のある雰囲気の中で三つの柱〈資質と能力〉を身につける保育が促されている幸せを味合わせることです。
大人が命を守り、病気にさせない行為として養護のねらいを整理した立案が大切になります。
養護のねらい「コロナウイルス・インフルエンザ・ノロウイルスにかからないように保育園・幼稚園・こども園全体を保健衛生的にして命を守り、情緒の安定を図る」
幼児は自分では命を守ることはなかなかできません。保育者が環境や配慮することを大事にして保健衛生的な保育を心掛けなければなりません。年長になり病気にならないため子どもが自分で〇〇するのは教育になります。
教育のねらい「郵便ごっこ」様々な文字や数字など手紙のやり取りを先生やともだちと楽しむ」
このねらいは、高校卒業までつづく社会的自立の基礎に結び付いていることを理解したいものです。幼児教育において〈郵便ごっこ〉は2022年度から本格実施される高校の新学習指導要領で、国語は文学国語や論理国語に分けられるということ。その基本は読解力が重要になります。言葉を聞いたり、話したり、書くこと、そして言葉を見つけたり・使ったりして思考力や判断力、表現力が必要になります。また、実用的な文章を読んだり書いたりする社会的自立も教育では大切になります。
ねらいを達成するにあたって養護の内容〈室内外を毎日消毒して保健衛生的にする。園児が触るおもちゃや施設を消毒する。インフルエンザ・コロナウイルスにかからないように保育室の空気の換気をこまめにする。室内の温度調節をする。登園した時に体温を把握する。熱が高い時は適切に対処する〉といった乳幼児が自分で対応できないことを保育者が命を守り病気にならないようにすることです。
五領域の健康は子どもが自分で命を守るように発達「自分で〇〇する」自発的な行為を身につける教育として明確にします。
五領域
健康 身体を充分使って郵便配達をして友だちに手紙を届ける。
遊んだ後は、手洗い・うがいをしっかりして病気にならないように自分で病気にならないように 命を守る。
人間関係 好きな友達と手紙のやり取りする
友達の住所を知ってたくさん友達になる。
環境 郵便番号や住所を知る。ひらがなやカタカナを知る。
言葉 ひらがなやカタカナ・漢字を使って郵便ごっこをする。
文字を教えあい言葉を豊かにする。
表現 間違った文章でも自分なりに伝える。わからない数や文字を先生や友達に聞き言葉のやり取りをする。
環境構成
物的環境 手紙でやり取りするため鉛筆・ペン・ハガキを作って準備する。
郵便ポストに見立てる箱を作っておく。郵便屋さんが使う道具を作っておく。
人的環境 友達が手紙を書く姿を示す。友達が友達にハガキを配達する姿を見せる。文字が間違っても怒ら ないで受け入れる友達や先生の姿を見せる。
温かい愛の雰囲気
文字が間違っていても笑顔で次正しく書けるようになればいいよと受け入れる雰囲気をクラスの中に作る。友達同士優しく教えあう姿を見つけたら優しく教えられて素敵だねと温かい雰囲気を作る。
予想される活動
〇〇ちゃんからのハガキだよと言って配達する。××君何枚ハガキ届いたと聞く。届いたはがきを読めないで見ている。ハガキが一枚も届かないでそばにいる。手紙が書けなくて郵便ごっこから離れている。ポストにたまったハガキを配ろうと取り合いになる。顔が赤ら顔になって熱が出てきて椅子に座っている。
このように保育場面で子どもたちが環境にどのようにかかわるかを予想される活動に取り入れることで病気を防ぐことや大きなけがをさせないことを防ぐことに結び付きます。
また,三つの柱〈資質と能力〉を身につけるために幅広く発達支援が効果的になります。
発達支援 三つの柱〈資質と能力〉を身につけ社会的自立に結び付ける
「〇〇ちゃん、××君から手紙届いてうれしいね」と共感する。友達とかかわりがあり人を大切にして思いやりが育っていることを自覚させます。三つの柱の非認知能力も理解したいものです。
「郵便屋さんになって友達の郵便番号や住所わかって楽しいね」今までと違う知識を見つけて新しい発見する喜びを体験させ思考力や判断力を身に付けたことを味合わせる教育に結び付きます。手紙のやり取りとしての約束を郵便番号や住所があることを正しく伝える教育を通して社会的自立に結び付く発達支援をします。
「友達に手紙や絵を描いて〇〇ちゃん喜ぶね」自分が書いたことを認められることで知識や技術があることを受け入れられて自信となり意欲がわき表現力に結び付きます。三つの柱の非認知能力のチャレンジする力があることを体験するチャンスに結び付けます。
「ハガキ届かないね、〇〇ちゃんから手紙だしてあげると△△ちゃん返事書いてくれると思うよ」と慰める。問いかけや励まし、慰めることでさらに友達とかかわる力をつけ知識や技術、表現力を身につける教育に結び付けます。また友達を大切にすることで非認知力の思いやりへの力の基礎になります。
「〇〇ちゃん、わからない字を聞いて最後まで我慢して手紙書いてすごいよ」とほめる。学びに向かう力として、より良い生活を営む力の我慢し最後までやり遂げる場を見つけ気づかせる教育をしたいものです。
「〇〇ちゃん、顔が赤いので熱があるか測ろうね」優しく熱を測りたくなる温かい雰囲気を作って身体を大切にする姿を周囲の子どもたちに示す。笑顔で優しく先生の肌のぬくもりを与えている雰囲気を周囲に示すことで自分たちは愛されていると感じる教育を受けることになります。
このような養護と教育を立案することで一人一人の命や甘えを受け止め、三つの柱の資質と能力を促し、社会的自立まで保障する幼児教育に結び付きます。
郵便ごっこは、単なるごっこ遊び「見立て・つもり・ふりなど」をさせているだけでなく三つの柱〈資質と能力〉を気づかせ、高校卒業までの教育に結び付き、社会的自立を身に付けさせる重要な幼児教育の一つとして保育者も保護者も受け止めたいものです。