あなたのために腰を落ち着けてじっくり能力を育つ場を見守っていますよ
統括園長 飯田 和也
乳幼児は、見る力・聴く力・触る力・匂いをかぐ力・味を楽しむ力を身につけるためにも毎日楽しんで生活しています。その乳幼児の楽しみを奪っていませんか。
年少の女の子がお迎えのお母さんと一緒に帰ろうとした時、砂場においてあるテーブルの脚のそばの砂の中にきれいな細かく並んでいる小石を見つけ、そっと指でさすって確かめ始めました。
母親は早く帰りたいのでもう帰るよと鞄をとんとんと叩いて促し始めました。子どもはそれでもちいさな指でそっとさすっていました。そこで母親はさらに鞄を持ちあげると女の子はあきらめて砂から離れて立ち去る時、悲しそうな・残念そうな・くやしそうな顔が印象的でした。
あと少しで、最後まで気づいた事・新しい発見、例えばそろっている小石、ざらざらの砂の形、チクチク痛そうな石、キラキラと光っているのを見つけ、どうして光っているか疑問、触ったらへこむかどうか確かめる心、つまむとどうなるかなど疑問・推理・確かめ・発見などを身につけるチャンスがあったはずです。
親の都合で、触れ合っている姿、子どもが発見している姿、毎日の生活の中で新しい判断、不思議な物を見つけた喜び、変わった事があるか見つける探究心、ちょっとさわってみたいというチャレンジ、自分なりにつまみ表現する力等多くの能力を身につけるチャンスをなくしている時・場を点検したいものです。
毎日、親が自分の生活や方法に対して子どもの行動があっていないとイライラしたり、早くと動かしたり、無視したり、押しつけたりして子どもの知識・技能・思考力・判断力・表現力の発達を身につく事を邪魔していませんか。
親として、人としての能力を見つけ、育てようとする時に、親・自分が主語、自分の都合で行動している事を忘れている事が多くあります。
それも子ども「相手」にとって〇〇と良いこと、××で悪いこと決め付けている事を反省したいものです。
家族の中でやってあげる事が当たり前・出来て当然・子どもだから解っている・いつもいるから知っているといった態度をとっている時、
一週間に一度でいいからあなたのために腰を落ち着けてじっくり時間を割いていますよといったふれあいを通してわが子が今までと異なって大きく成長・発達している事を見つけ・子どもを授かった喜びを再確認したいものです。
このような触れ合いは高校卒業の時の自分で困難を乗り切る力〈社会的自立〉に結び付くことを、肝に銘じて温かい雰囲気をつくり見守りたいものです。