社会で生活して生きていくうえで名前を呼ばれたらハイと返事をすること、して欲しい事をはっきりと伝える事、一年生になるまでに文字の読み方や数字を理解すること、箸や鉛筆の持ち方、足し算、のりやクレヨン、はさみの使い方、おはようや有難うが言えること、服のたたみ方、脱いだ靴をそろえること、トイレの使い方、友達と手をつないで歩く事、雨の時の傘の使い方、使った後の片付けの仕方など正しくできるように親としてかみくだいて教えていますか。
又、寝る時間やおきる時間など生活習慣ができるように親として協力していますか。大きくなればできるようになるから大丈夫ではありません。かみくだいて教える時に、お母さんの眼をよく見る、お母さんも子どもの眼を見る、そして子どもの話を良く聴く、子どもと静かに眼をお互いが見て聴くという態度が大切といえます。
子どもがお母さんへ眼を向けていれば聴く態度が見られます。しかし、こちらに眼を向けていないのにかみくだいた話をいくらしても聴く耳を持っていないといえます。人の眼を見て聴く姿勢が大切になります。
しかし、子どもは眼だけを見ていると相手により怖さ・不安を感じる場合があります。お互いが見つめしすぎるのでなく、眼の玉だけでなく時々ほほをみる、また、眼の周囲を見るといった見つめ方を最初に教える事も大事です。
掃除や片付けをすることはきれいになって気持ちがいいだけでなく散らかったままでいたらつまづいて転んで怪我をしたり、そのままにしていると虫がわいて病気になって熱がでたり、痛い注射を打たないと治らないようになると理由を子どもに言うことで掃除や片付けの大切さを伝えることも大切になります。
漢字の書き順や計算の仕方に決まりがあるように学校生活や社会生活にもルールがあることをより丁寧に繰り返し伝える事です。学校は勉強の始まる時間が決まっていたり、トイレへ行ける時間も決まっている事を教える事です。
「大学生になっても講義中に先生トイレ行って良いですか」という学生がいます。「それは講義が始まる前に自分で行くこと」このように高校生の時までに社会的決まりを体験できていない人がいます。幼児期からきちんとした約束を身につけていないことになります
。同じように漢字の書き順でも理解したからもういいというのでなく、ただ理解した、説明を受けただけと言うのでなく、完全に筆順で書けるようになってから次に進むような配慮をします。一つのことを細かく判り易く分析して前にやったことを思い出させて確かめることで、出来た喜びと努力した充実感を味あわせることになります。
大きな自信を一つで良いから持たせる事で困難を乗り切る力を持ちます。自分で○○する力を持っているという事を親として気づかせることが重要になります。
小学生になってもパニックとなり周囲の状況を眼に入らないで大騒ぎをする子どもがいます。大騒ぎしている瞬間はこちらから声をかけないでその子が落ち着いてからきちんと眼を見て『してはいけないこと』『しなければならないこと』を親が落ち着いた雰囲気として、このようなときもあるんだよとおおらかな態度で伝える事になります。
さらに『どうすれば良いか』と問いかけることで考える間を作りたいものです。この間を与えられる事で考える自分・工夫する自分・見直す自分となり知的発達・情緒的発達・社会的発達となります。
その後、考えて治した行動を見つけた・認めたときには、当たり前でなく『泣かないでいえたね』『大騒ぎしないで出来たね』とほめる事で子どもは自分にも出来る力があるという自信を持った生き方が出来るようになってきます。このような親の触れ合いで子どもは一年生になってからも自分で困難を乗り切り、自分から考える力を少しずつ身につけていきます。
園長 飯田 和也