研修資料第二号 三つの柱の発達を指導計画に組み入れる様式の根拠を園全体が共有して保育の質を高める

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研修資料第二号 三つの柱の発達を指導計画に組み入れる様式の根拠を園全体が共有して保育の質を高める

研修資料 2 号 三つの柱の発達を指導計画に組み入れる様式の根拠を園全員が共有して保育の質を高める

飯田 和也

 

保育は目標「理念=創立者の根本を基本にこどもの発達「資質と能力」として三つの柱を会得・地域の実態・こどもの実情・保育者の能力・園の環境を考慮した養護と教育を明確にします。」

ねらいはこの目標をより具体化した言葉を作成します。内容は指導したい内容として養護と教育を分けて立案します。発達を支援する原則です。

子どもの発達「資質と能力」の三つの柱を根底に考慮することで保育実践が具体的となり園共通の考えに結び付きます。

「目標を具体化したねらいが発達=三つの柱の方向性になるという考えが理解しやすくなります」クラス担任がねらいを立案するとき、保育者の自己満足な子どもへの発達観が一度客観的に整理されるということになります。

そして、到達目標でない方向性として「ねらい」が 楽しむ・味わう・広める・深める・しようとする・感じるといった卒園までに上手に出来るようになればいい、それでもだめなら小学校、それでも花開かなければ中学校、それでもだめなら高校卒業までに花開くようになればいいという考えと共有できるようになります。

ここで重要なことは乳幼児の生きる力を「勝手に想像するのでなく、資質と能力として三つの柱「発達」を通して自分で〇〇する自主性と困難を乗り切る力と世界に羽ばたく生き抜く力を身につける客観的な保育を受けさせることです」。

このねらいの立案で発達の根拠を三つの柱で分析をすることで園全体が発達を抑えられる立案に結び付けることが重要になります。各自がねらいの立案の根拠と発達の中身の深い意味を共有することです。

例えば二歳児の立案において、「サーキット遊びを通して、保育教諭や友達と一緒に体を動かして遊ぶことを楽しむ」

ここでねらいを三つの柱で発達を分析すると幅広く・奥が深く一人ひとりの発達をとらえる力ができ保育の質が高まります。

三つの柱「発達」とサーキット遊びを結び付けます。

1 知識 巧技台 平均台 フラフープのユラユラトンネルなどの形や使い方を理解して知識とする。

技術 体全体を使って飛び乗り、飛び降りる技術を付ける。身体の調整力を付け、道具をのり越える体力と身のこなしを身につける。

2 思考力 足を曲げ、腕を振って考えてすること、着地地点をみることで遠く跳ぶことを発見=考える。身体の力の入れ方を考えるなど発見して考える力=思考力とする。

判断力 最初のやり方と違うことを判断してうまく飛んだりする。マットを潜るにはどうすればいいか判断できる。体の使い方で背中とおしりを使うとゆらゆらトンネルを通過でき判断する力を身につける。

表現力 今までと違うジャンプを見つけて手と足をより高く上げて自分の跳び方を表現する。まねるは学ぶ、学ぶは想像力、創造力となるように友達の動きを模倣して自分なりの動きを作って表現します。

3 非認知能力 知能テストでは測ることが困難な能力・ここを大事に見つけ、温かいクラスの雰囲気を作り、クラス・園の特色にして生き抜く力を育てる。

挑戦してだめでも乗り越える=巧技台に登れないが他児を見て挑戦する心が湧く、しかし、失敗しても何度も挑戦する場が与えられるのを支えたり、できたときに共感して挑戦する心を認め自信を持たせる。

最後まで我慢してやり遂げる力=平均台が渡れないときに何度、落ちても最後までやり遂げるまで励まし、やり遂げたときを共感して忍耐を見つけ、身に付ける力を育てる。

モノや人への思いやり=遊具を片付ける時に優しく持ったり、優しく置いてものへの思いやり、友達が並んでいるのを追い越さないで見守ったり、優しくして生きる力の中で思いやりを身につける。

自尊心=自分には巧技台・平均台・トンネルをくぐる力がついた能力があることを気付いて自信を持つ体験として自信を持ち、意欲的な態度を養い生きる力に結び付きます。

 

このように二歳児でも、人生の基本「生きる力」の場がサーキットでもあること、丁寧に発達の方向性として「ねらい」の考え方と発達支援ができ,保育者も、保護者を育てる園として宣伝して特色「他の園より優れている保育」となります。

サーキットとして三つの柱「資質と能力」の知識・技能は道具の知識、道具の使い方で技能を今までは教えて、楽しければいいという狭い保育だけではだめという考えです。サーキットを楽しむだけでなく、新しい道具の体験をすることでそこで不思議な発見・面白い体験している子どもたちです。ただ上手に乗ったり、跳んだり、くぐったりさせるだけでなく、昨日までと違った感覚になっている子どもたちになると、眼で見たり、耳で聞いたり、肌で触ったり、身体を使うことで眼が回ったり、柔らかさを気付いたり、冷たさを体験している子どもたちです。

このような体験するときに、三つの柱の二つ目、思考力として新しく発見して考えている場面、「頭打った痛い、」そうだね、痛かったね、マットは柔らかいけど床硬いね。」二歳児が感じること、そして発見し考えた思考力があるのを共感します。着地地点の赤色と目標決め到達したとき「やった」そのとき、「赤色見つけて跳べて決まった、素晴らしい」自分で決めて「判断」し跳べたとき支援したことになり自信をつける保育に結び付けます。

表現力として、背中を使ってゆらゆらトンネルをくぐる時に、匍匐前進しているとき「〇〇ちゃん肘使って面白いね」と共感する。「〇〇君寝転がって背中がついてくぐってできてよかったね。頭打ったけど我慢して最後までくぐれたね。」と励まし、できたところを見つけて具体的に共感します。

非認知能力

思いやり=「順番を守って跳べるようになってできて丸と〇の形を示す」褒めて人を大切にしている場面を見つける保育をします。

挑戦=友達がここまで跳ぶ「赤色や黄色などの色のテープをここまで跳べた」という姿から自分も一番遠い赤までと目標を決めて跳んだところ見事に着地した。「〇〇君、赤まで跳べてすごいねと身体を抱きしめて共感する」

最後まで我慢して潜り抜ける=ゆらゆらマットで潜り抜けるのに工夫があり、身体の使い方と時間がかかるのを最後まで我慢して通り過ぎるのを見つけ、ここまで我慢できたことを気づかせ、共感して忍耐力をほめる保育をします。

自尊心=ジャンプができたこと・フラフープをくぐったこと・平均台が渡り切ったことで自分には身体的に動かす力があることを自信持たせるため「〇〇ちゃん、渡れてよかったね」「▽▽ちゃん、ゆっくりだけれどくぐれて素晴らしい」「〇〇君、黄色のテープまで跳べるようになっておめでとう」

 

三つの柱の発達「資質と能力」がサーキット遊びを通して「できた喜び・もっとしたいという意欲、さらには工夫して楽しむ」知識と技能だけから自分から主体的に行動し考え・判断し、自分なりに表現している二歳児に失敗してもいいよ、今日できなくても今度頑張ればいいのだよ、友達の姿を見るだけ、真似してもいいよという保育が三つの柱「発達」を大切にする基本になり,生きる力となり小学校以上の学習指導要領のアクティブラーニングに結び付くことを理解したいものです。ここで保育の質の高さが試されます。

 

子どもの姿「10の姿」を記入するときに自分だけの捉え方「癖」から脱却し幅広く一人一人の成長と発達を捉えることに結び付くのが三つの柱を自分の保育に取り入れる利点になります。

保育はこども園・保育園・幼稚園だけの発達を保障するだけでなく高校卒業まで続くことを保育者も保護者も学校の先生も理解し、地域全体でアクティブラーニングの生きる力を育てる教育が求められています。

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