初めての発見「だんご虫・足が、足が・足がある」
だんご虫を見つけ、捕まえる喜びを与えるだけでない・発見と判断と表現とチャレンジや思いやりを身につける教育がある。
統括園長 飯田 和也
年少児三歳児が初めてだんご虫に触って、捕まえてもって来て「先生だんご虫・だんご虫」と生まれて初めてつかんだ感激いっぱいで、
私の手の平に乗せたとたん「だんご虫がひっくり返って」たくさんある足を広げたのを見て「足が・足が・足がーー」とびっくりして目が点になって固まってしまいました。
子どもはだんご虫には足がたくさんあることを発見しました。
この発見は家庭ではできない体験になります。保育場面で友達がだんご虫を見つけ、さわり、牛乳パックに入れて大事にする姿が見られます。
家庭生活では、そのように虫を見ること触ることもなく保育場面で初めて見ることになり、新しい発見・思考力を発揮します。
先生や親は虫を捕まえることだけを教えるのでなく、新しい発見している姿を見逃さないことです。だんご虫という知識、そしてそっと触り、つかむ技術、そして牛乳パックに入れる技術などを体験していると同時に、今まで体験したことがない虫に初めて触ることで虫を感じることができます。
そして、だんご虫がひっくり返ることでだんご虫にはたくさんの足がそろっていることを発見し考える力を身につけています。
さらに、手の平にやさしく乗っけていると丸くなり、少しずつ動きだし見守る優しい態度をするとゆっくりと歩き始めます。
そこで三歳児は安心してだんご虫をそっとつかんで牛乳パックに入れて堂々たる態度で「やった」という自信になりました。
ここで重要ことは、幼児教育で虫の知識や虫の捕らえ方を身につけさせることだけでないことです。子どもがだんご虫を新しく発見しているとき、だんご虫のような虫と違う虫を判断している場、危険な虫や生き物に対しては注意してさわることを気づき、自分なりに表現する方法を見つけている場を見逃すのでなくキャッチする大人の優しい態度が必要といえます。
その時に今までと違って目の動き・手の使い方・指の動かし方などを細かく把握する感性が大人に求められます。
だんご虫を捕まえようとチャレンジする力は周囲の子どもたちがだんご虫は触っても大丈夫という姿を見せ触り方のモデルとなる優しい仲間がいることで自分も触ってみようという意欲に結びつきます。
しかし、危ない・危ない・触ると汚い・汚いといった言葉や脅す態度をすると子どもは全く触ることができなくなります。
親や友達が余分な脅しや怖いから触らないといった言い方によって一生怖がり・神経質な生き方になります。
将来の生き抜く力には、初めは怖いが我慢して最後まで捕まえる力、生き物を優しく持つ思いやり、知識や技術だけでなく知能テストでは測れない忍耐・挑戦・思いやりなどだんご虫から体験する場が与えられることを大人は気づき・身につける温かい愛のある教育に結び付け社会的自立をさせる日本の教育にしたいものです。