平成29年9月22日
テーマ「来年度保育園・こども園・幼稚園の保育所保育指針・幼稚園教育要領の改訂・改定に向け、説明だけでなく何を大切にするか理解を深めるため」
飯田 和也
幼稚園の職員も保育所保育指針改定を保育者として理解して今後の保育に役立てなければなりません。幼稚園の先生だから保育指針を知らなくていいでなくこれからの教育は一緒になったこと、養護の中身について把握するのがプロです。今回の指針の総則に養護と言う言葉が入りました。幼稚園・保育園・こども園共に大人の働きで命を守る・情緒の安定を図る事が明確になりました。
・ 改定 保育指針 総則にある『養護と教育の一体化』とは
養護と教育について改めて重要ということを理解します。再確認です。
養護は保育者が乳幼児の命を守り、情緒の安定を図ることです。五領域の健康は子どもが自分で危険な事を察知し、生活習慣の自立を身につけさせる教育です。朝登園してきた姿のまま迎えにきた親に返すのが養護です。
保育中命を守り、病気にさせない幼稚園・こども園でも保育者がする養護の再確認とします。総則に書かれたということは保育実践で養護が重要ということになり専門性として意識したいものです。
・
指針でいう全体的な計画は、保育課程です。幼稚園は教育課程です。作成ポイントは指針の年齢ごとを保育課程に取り組んで利用するという研修をしたいものです。
当然、理念『創設の根本』や地域の実態・保護者の要望・子どもの実情を考慮した目標を全職員が共有して保育課程を理解していなければなりません。
・ 『ねらい』と『内容』にある同じ言葉「楽しむ・味わう」の区別の考え方と書き方
改めて発達の考えを理解し到達目標と発達の方向性を気づくことです。そばにいるだけで楽しい・匂いをかぐだけ、見ているだけでいいという上手にさせるのでないのが『ねらい』です。
指導したい内容と違いがあります。「知るは知らないから知るような指導したい内容、守るは守らないから守るような指導したい内容」といった区別を全職員が共有する研修をしたいものです。
内容の楽しむと味わうは、ねらいと区別が困難な場合は書かなく他の言葉にした方がすっきりします。
・
保育所保育指針改定における三つの柱と非認知的能力、五領域・10項目について理解し発達支援で身につける教育。幼稚園・こども園も同じです。
ア健康な心と体 イ 自立心 ウ共同性 エ道徳性・規範意識の芽生え オ社会生活とのかかわり カ思考力の芽生え キ自然とのかかわり・生命尊重 ク数量や図形、標識や文字等への関心・感覚 ケ言葉による伝えあい コ豊かな感性。
このような10項目は 幼児期の終わりまでに育って欲しい姿、これらは到達目標でない、個別に指導されるのでなく遊びを通して総合的な指導を心がけます。個人差として高校生までに育つという発達の考えも必要です。
・
演習を通して今までの保育の見直しをします。
非認知的能力を身につけるため・遊びの総合的な指導とは、絵を描く場面から三つの柱の考えと10項目の評価のありかたの実践研修をします。今までと違うために教育観の改善が求められます。
1 知識・技能 2 思考力・判断力・表現力3学びに向かう力・人間性ですが今までは1と2は重視してきた教育です。
しかし、心情『描けた喜び』意欲〈もっと描きたい〉態度〈我慢して最後までやり遂げる・挑戦する・自尊心といった知能テストでは測りづらい能力などを身につける教育が求められます。
それも卒園までの評価だけでなく小学校・中学校・高校を卒業するまでと言う視点を親もすべての先生が理解していないと到達目標になってしまいます。日本中の先生が把握することが求められています。
・ 遊びを通して総合的な保育の指導とは『縄跳び』による発達を捉えます。自分の五領域が偏った発達を反省する演習をします。今までの縄跳びを上手に跳ばせれば良いという狭い教育からこの三つの柱のような発達を理解する研修が求められています。当然、五領域と10項目の評価を理解していなければプロと言えません。
・
保育園・幼稚園・こども園卒園までに10項目を評価すること、それも到達目標ではありませんよといった説明だけではありません。また、小学校との連携を必要と言うだけで説明を終えている研修会の会場は間違いです。
特に、高校生卒業までに育てる三つの柱の二つと三つ目の『チャレンジ・我慢して最後までやり遂げる力・自信をつけて自尊心を身につける』これからの日本人の心情・意欲・態度を身につける教育を丁寧に伝えるのが研修会の会場の司会者です。
乳幼児にはやらせるのでなく、自分から〇〇する主体性を大切にする実践演習を研修します。例・利き腕でない手を使った演習では。チャレンジする心と最後まで我慢してやり遂げる心、そして自分にはできたという満足感や充実感を得て自信を身につける教育を体験したいものです。
・
手遊びを通して「主体性」とは何か、子どもが主語を見直します。
手遊びの場面でも上手にさせる保育から自分で先生の手遊びの説明を聴いている、手の動きを自分で見ている、自分から真似しなさいと言われなくても模倣する力を持っている事を気付く保育者です。
そして、気付いたら自分から○○している主体性を気付かせる問いかけ・助言・励まし・慰め・共感をすることで子どもが主語ということを理解した発達支援を身につける研修が必要になります。
・
環境構成についての考え「物的・人的・雰囲気について理解」
子どもは環境との相互作用で発達する
机と椅子の置き方で子どもが主語になっているか点検・評価し改善に結びつける力を身につけたいものです。マンネリの環境構成は見直したいものです。 子どもの眼・耳・手・足・になる事で主語が違います。
養護に必要な温かい愛のある雰囲気の演習
子どもが子どもをほめる保育・教育の重要さから生き抜く力をもたせる教育です。お互いが認め・受け入れ・愛する態度が保育室・小学校・中学校・高校生の教室にあふれる雰囲気をつくる、笑顔と有難うの飛び交う教育観が求められます。
・
保護者支援から子育て支援へ 地域の子育てを含め信頼される教育
保護者に子どもを授かった喜びを味合わせる保育所・幼稚園・こども園が必要といえます。
日本中で起きている「いじめ・虐待」を含めた地域の連携について理解したいものです。
保育園・幼稚園・こども園のプロとして救いの手を差し伸べる協力が必要です。
児童相談所・児童養護施設・医療機関・警察・弁護士・家庭裁判所・保健所・市町村・福祉事務所・保育所・幼稚園・こども園・学校などと率直な意見交換・見守りの継続が求められます。
「行事を通して」子どもを産んだ喜びや大きくなったという体感と地域の人々と一緒に生きている幸せを味あわせる研修ができることが求められます。
自分ひとりだけで子育てをしているのでなく、共に泣いてくれる人、共に喜んでくれる人、共に生きている人一人いれば幸せという地域の連携ができる保育を確立する園として乳幼児を愛したいものです。