506 号 共に育つ愛の保育

2026年6月1日

506号 共に育つ愛の保育 やる前3秒、できて3秒待つ、3秒間子どもの発達を見つけると伸びる・素晴らしい「間」の教育が子育てには必要です

理事長 飯田 和也

五歳児が糊を使う保育場面でした。色紙の裏に糊を付けるときに中指で糊を貼るだけの量をすくって端につける場面からです。その時、先生は子どもが糊を色紙の裏につける時3秒待ちました。全員が糊を準備して次に貼る姿を見せるまで先生は声を出さない、少しの音を出さない、動かない「静かな間」を作るのでした。

すると全員が静かにそろっているときの静寂を味わう間は一日の生活の中では体験できない瞬間でした。五歳児は全員、先生の顔を見て、自分は今、しゃべらない、次に静かにしていることで忍耐している場面となりました。

全員が同じ心で一つになっていること、全員が自分たちは一緒にそろえる力があることなど能力が自覚できていると感じざるを得ない教育の場面でした。

次にハサミで〇の形を切る場面になりました。そこでも、ハサミで見ててねと言った後、3秒間ハサミで紙を切るまで音を立てませんでした。そして、全員音を立てないで紙を切りませんでした。

すると五歳児のクラスで誰もハサミを勝手に切りません、動きません、しゃべりません、そんな「間」が生まれました。静かにした後、子どもたちは自分で選択し自分で判断してハサミで丸く切り始めるのでした。その時、一人ひとり全員が声も出さずに集中・忍耐して最後に〇を切る姿はクラス全員が一つになり素晴らしい感動を覚えるほどでした。

最後に〇が切れた時にきれいだね、と言ったあと3秒待って動きませんでした。

全員がきれいという充実感を味わうための静寂は一人ひとりが〇の切れた満足感を味わって、自分にもハサミで紙を丸く切れる能力がある、最後まで我慢する力がある、新しいことにもチャレンジする能力がある、ハサミを優しく丁寧に扱う心が育っていると感じる場面を与えられているようでした。

このように一人ひとりの発達を見つけ、気づかせる教育の場面は丁寧に観察をしなければ、見つけることはできないと新たに発見できた喜びを味わいました。

ハサミを使えばいいという教育・形を作らせればいい教育・言葉を理解させればいいという教育・知識と技術さえ身につけばいいという教育から、

知能テストでは測りづらい我慢して最後までやり遂げる力、自分で工夫して考える力、ものを大切にやさしく扱う力などを気づかせる3秒間の教育場面と出会った喜びを味わい保育の神様に感謝したいものです。

同じことが家庭で親は3秒間待ってあげていると、将来の忍耐心、挑戦、思いやり、自尊心が身につく素晴らしい体験に結びつくと信じたいものです。

この手紙を各地に送ったところ、インドネシアからは温かい教育ですね、養成校の教授からは「間の教え方悩んでいました。これなら教えられます」など返事がありました。

誠和こども園の三秒間待つ教育が一生涯身につく力となることが、親にも先生にも大切と教えられました。