岐阜県中津川市 学校法人 緑ヶ丘学園 誠和幼稚園|誠和幼稚園ブログ

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お母さんの涙から教えられること

2007年10月30日 火曜日

 五歳児が男女に分かれて大きなパズルをつくり、それを競争して全員で完成するという場面に出会った時のことでした。女子のグループで友達に手を引かれて、パズルを渡されてその部分を併せている子が目につきました。
 その子は手を引かれているが絵をみるとさっと判断して一部分を正確に当てていました。一言も声を出さないが前の子から手にタッチされ、そして次の子にタッチさせられている場面でした。 しかし、先生や友達の行動をじっと見ているときはキラキラと光っている女の子でした

 園長先生に「どのような子ですか?」と尋ねると「三月まで集団に入っていなくて、園ではまったく言葉が出ません。しかし、家ではおにいちゃんや家族の方とも話しをしています」という説明がありました。「お母さんはどこにも相談もしないで周囲の人と関わりも持ちたがりません。学校のことでどこかに相談に行って欲しいのですが...。」という言葉でした。
 そこで「この子は友だちをよくみていますね。先生の話をじっと聴いています、パズルも認知能力がよく判断力も見事でとても感性が鋭く頭のいい子ですよ、お母さんにぜひこのことを伝えたいのですが会えますか」というと担任が電話をしました。

 しかし、母親は電話口で渋っているようでした。その様子をみて「母親に素晴らしいことだけ伝えさせてください」と言って電話を代わっていただき「電話ですけれど、パズルの遊びをしている場面をみて、感性がするどく、頭のいい子ということをどうしてもお母さんに伝えさせていただきたくて電話しました。本当に素晴らしい能力のあるTちゃんですね」と伝えるとびっくりした声に変わりました。
 そして「この子の感性の素晴らしいところを信じてあげてください」といって電話を切りました。

 もうお会いすることもないと思い食事をしていると、突然どうしてもお会いしたいとお母さんが面会に来られました。
 そこで「パズルの場面では、他の子どもたちは、どこにおいてあわせたらいいか、悩んだり、話したり、まったく合っていない子もいる中、瞬時に判断し、一瞬に置く場所を見つけていました。大変頭のいい子ですね。パズルを捉える力、友達の行動を観察する力、先生のことをよく聴いて判断する力が育っていますね」と伝えると、ポロポロと涙を流す母親でした。

 さらに五月の時描いた絵は、黒い空に黒い太陽、そして小さな黄色のバスが描かれていました。それに対して運動会の絵は、真ん中に金メダルをつけた本人、両脇には友達が真っ赤な運動服を着て金メダルをかけ、アニメの顔の旗が遠近法で描かれ空はきれいな空色で真っ赤な太陽が描かれていました。
 母親に「真似るは学ぶ、学は創造力」と言う言葉のように友達の絵を真似していますよ。「自分で〇〇する」という主体的な生き方ができている素晴らしい絵です、この子を授かってよかったですね」と言うと涙をまたポロポロと出すのでした。
 「この子は頭を使うことができる子なので、おにいちゃんがいるのであれば、自分を受け入れてくれる年上の子や可愛がることができる年下の子と遊び、今は同年齢の子と遊ばせることにこだわらないほうがいいですよ。いいところを見つけ信じてくれることで自分は愛されていると感じ、人を信じて生きる力になります。母親が信じることが第一です。今日はご主人にも伝えてください」と言うとまた涙を流す母親でした。

 次の日園長先生に手紙が届いていました。
 お礼と同時に「・・正直なところ、はじめは気が進まなかったというか怖かったと言うのが本音です。 今まで責められることが多く、また駄目だしされるのでは...と、ちょっと臆病になっていました。でも思い切ってお会いしてみて本当によかったです。
 たくさんのお褒めのお言葉やアドバイスをしていただいて、抜け道への光が見えたような明るい気持ちになることができました。
 今までと違った、力を入れない接し方ができそうな自信をもいただいた気がします。前を向いて、受け入れる生き方...
。 絵のことをほめたら飛び切りの笑顔で喜んでいました。 いつも否定する感じが、昨日は素直に受け止めていました。」(手紙より)



園長  飯田和也

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